食事の予定は……
夜
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血迷ったこと言ってやがるんだアホ』といいそうになったが、その言葉をグッとこらえた。確かに川内のこの体調不良は、俺のこの前の風邪の症状によく似ている。前触れは止まらないくしゃみと咳。高熱と意識朦朧……確かにこいつは、俺の風邪がこいつに感染ってしまったからかもしれん。
俺の袖をつかむ、川内の握力が強くなった。ギュッと強く、でもいつもより何倍も弱く袖をつかむ川内の手が、俺の袖を離さない。知らない内に、川内は少しだけ顔を上げて、こっちをジッと見つめていた。
「……」
「……」
いつもと比べてトロンと重そうな瞼だが、その向こう側にある、輝きを失った目は、俺をジッと見つめていた。
「……とりあえず離せ」
「……はい」
川内の左手が俺の袖を名残惜しそうに離し、ダランと垂れた。その手はなんだか、『ワガママを言ってごめんなさい』とでも言いだけな、力のこもってない、ダランとした動きをしていた。
「一端事務所に戻る」
「……うん」
さらに元気がなくなってうなだれ、机に突っ伏した川内を残し、俺は事務所に戻った。大急ぎで、大淀さんに今日はもう教室を閉じる旨のメールを送った後、業務基幹ソフトの川内の項目を探し、住所を自分のスマホに送る。そのまま川内の備考欄に『体調不良の為、キャンセル』とだけ書き込んでおき、パソコンの電源を落としてタイムカードをガシャコンと切った。
「川内帰るぞ。電源落とせー」
自分の荷物を纏めて、教室に戻り、川内の元に向かう。相変わらず川内は机に突っ伏していた。俺の声を聞いて顔を上げ、眠そうな眼差しで不思議そうにこっちを見つめた。
「……へ? 車呼んだんじゃないの?」
「責任取って欲しいんだろ?」
「いいの……?」
「家までは、送り届ける」
「……うん」
うれしいんだか……それとも落胆したのかはよく分からない。川内は一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐにまた元のダルそうな表情に戻った。右手でマウスを必死に探すが、マウスの位置がうまく把握出来ないようで、机の上で右手をうろうろと動かしているだけになってしまっていた。
「……あれ」
「……ったく」
見てられない……俺はキーボードを手元までひっぱり、CtrlキーとaltキーとDeleteキーを押して、パソコンをシャットダウンした。
「……なにそれ」
「ショートカット」
「私はツーサイドアップ……」
「そのショートカットじゃないっ」
パソコンがシャットダウンするまで、画面をぼーっと見続けた川内は、画面が真っ暗になると力を溜めて立ち上がり……と言ってもフラフラだけど……くるまっていた俺のコートを脱ごうとしたが、それを俺は制止した。
「いいから着とけって。寒いだろ?」
「うん。でもそれじゃカシワギせんせ
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