食事の予定は……
昼
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!」
「神通……オートフィルを」
「はい……」
なんだか俺まで緊張してきた。隣のコウサカさんを見る。コウサカさんも、息を呑んで向かいの席を見つめている。どうやらコウサカさんも、俺と同じく向かいの席の顛末が気になるようだ。その深刻な眼差しが、それを如実に伝えている。震えてるけど。
「せ、先生ッ!! 計算が! 計算が……狂いません!!!」
「よくやった神通!! これで無事、火を継ぐことが出来た!!」
「はい!! 仲間の命を救うことが……海域を突破することが……出来ました……!!」
「さすが俺の太陽!!」
「先生も、さすが私の提督です!!」
よかった。神通さんは、無事絶対参照を乗り越えたようだ。椅子から勢い良く立ち上がったソラール先輩が、Y字のポーズで気持ちよさそうに上に伸びているのが見えた。声から察するに神通さんもかなり嬉しそうではあるが、流石にあのポーズを取るのは恥ずかしいらしく、席を立つ音は聞こえない。でも声は本当に嬉しそうだ。
「コウサカさん、世界は救われたようですよ!!」
「よかったですなぁー先生!!」
俺とコウサカさんも、震える右手で固い握手を交わす。よかった。神通さんは無事に海域を突破し、世界は凍りつかず花は枯れずに済んだようだ。隣のコウサカさんの晴れ晴れとした笑顔が眩しい。太陽も無くならず、コウサカさんの笑顔が失われることもなかった……よかった。世界は、神通さんの絶対参照によって救われた。救われたのだ。
……あれ。俺の立場って、この教室に対する突っ込み役だと自負していたのに……?
「よかった……よかったですな! カシワギ先生!!」
「ええ。……ではコウサカさん。俺達もやりましょうか」
「はい! ワシらも世界を……惚れた婆さんを救いに行きましょう!!」
「コウサカさんの奥様はきっとそんな事態に陥ってはないと思いますが、作業に入ることには賛成です!!」
かろうじて思い出した自分の役割を思い出すように、コウサカさんに突っ込みを入れる俺。震えてるけど。
ちなみに不思議なもので、コウサカさんが『惚れた婆さん』という熱いセリフを吐いた時、俺の頭にはなぜか、あのアホの魂の叫びがこだましていた。
――やせぇぇぇえええええええん!!!
「先生、どうしました?」
「……いや、思い出したくない絶叫を思い出しましてね」
「それはワシにとっての婆さんのように、先生にとっての大切な人なのかもしれませんな?」
「貴公……」
かんべんしてくれ……確かに一晩共に過ごしたけど……そして今晩、一緒に飯を食いに行くけれど……。
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