食事の予定は……
昼
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
微笑みをなくすという……」
「い、一体、どうすれば……!? この海域では、私たちは敗北するしかないということですかソラール先生!?」
色々とおかしなことになってきた。たかだか絶対参照を忘れただけで世界が崩壊するというのなら、すでに世界は何兆回も崩壊しているはずだ。深海棲艦との戦争も終結してるし、世界は平和そのものだというのに。
しかし、やっぱ神通さんって、あのアホの妹だけあって、どこか妙なんだよなぁ……。優しくていい人ではあるんだけどさ……。
「では神通、もう一度はじめからやり直そう。世界に太陽を取り戻すためにッ!!」
「はい! 仲間の命を救うため……この海域で無事に生き延びるため!!」
太陽と神通さんの仲間の命って、絶対参照で救えるんだと、俺は妙に関心した。それは隣のコウサカさんも同じだったらしく、俺とコウサカさんは、互いに顔を見合わせる。震えながら。
「ではいくぞ」
「はい……ゴクリ……」
「神通、もう一度計算式を作ってくれ」
「はいッ……!!」
ソラール先輩の指示が終わると、キーボードを叩くパチパチという音が聞こえてきた。神通さんが計算式を入力しているようだ。その音からは迷いや困惑はない。
そして、カチリという左クリックの音が鳴り響いた瞬間である。
「そこだッ!!」
ソラール先輩の大声が教室内に轟いた。
「ひゃいッ!?」
「はうッ!?」
聞き耳をたてていた俺とコウサカさんが、ソラール先輩の声に驚いてしまい、思わず二人揃って声を上げてしまう。震えながら。
「コウサカさん! しぃー!! 向こうの邪魔になりますからッ……!!」
「いや、しかし先生だって声を出して……!!」
この時、俺とコウサカさんの二人は、あまりにびくっとしてしまい、手を握り合ってしまっていた。この事実は、みんなには内緒にしておこう……そして俺達が震える手でお互いを支えあっている間も、向かいの授業は続く。
「そ、ソラール先生!?」
「そこだ神通!! セル指定をしたら、そのタイミングでf4を押すんだ!!」
「は、はい!!」
「違う!! fと4を一緒に押すのではない!! ファンクションキーの『f4』だ!!!」
「はい!!!」
俺はパソコン歴はもうかなり長い。Excel歴もそれなりにある。だけど、こんなに熱く絶対参照の設定を行う人というのは、初めて見た気がするよ……。確かに重要な設定だし覚えておいて損のない操作だけど、そこまで熱く語るものではないと思いますが……?
「そしてf4を押したら、計算式を確認してみてくれ」
「セル番地に……ドルマークがついている……?」
「その通り。これで、火を継いで世界を救う準備が整った」
「こ、これで……みんなを助けることが……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ