暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
食事の予定は……

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なんだよな。姉妹そろってf4の利用方法を同じ日に学ぶなんて、不思議なこともあるもんだ。

 ソラール先輩がどんな風に絶対参照を教えるのか興味が湧いた俺は、コウサカさんの手伝いをしつつ、向かいの席の二人の会話に聞き耳をたててみる。震えながら。

「貴公は不思議に思ったことはないか? オートフィルで計算式をコピーしたとき、なぜ計算式の答えが常に正しいのか」
「ええ。まるでこちらの動きに合わせて艦載機で援護をしてくれる、空母の方々のような頼もしさがあります」
「それは、セルの参照が、偉大なオートフィル(おーとふぃるりょく)でずれていくからだ。故にこちらでセル参照をいちいちずらさなくても、計算式は常に正しい」
「頼もしいですね」
「だが、今回はそれが仇となる。……神通、まずはそのまま、オートフィルで計算式をコピーしてみるんだ」
「はい……ゴクリ」

 相変わらず話が大げさだなぁ……確か神通さんの今回の課題って、特定セルに税率を設定して計算するところだから、計算式を立てるときに絶対参照にしないと、オートフィルでコピーした時にセル参照がズレで正しい計算ができなくなるはずなのだが……

「そ、そんなバカなッ!?」

 神通さんの悲鳴が、教室内にこだました。

「おや、先生も耄碌ですか」

 俺の隣のコウサカさんが、プルプルと震えながら笑顔で俺に問いかけた。そういうわけではないのだが、震えるコウサカさんと話をしてると、なぜか俺も震えてくる。

「そういうわけではないんですけどね」
「それにしても向かいの神通ちゃんとソラール先生の授業、大変そうですなぁ」
「コウサカさんもこれ終わったら、エクセルやってみます?」
「ワシはいいかなぁ〜。計算とか得意ではないですからね」
「残念、面白いのに」

 俺とコウサカさんの朗らかでのんきな会話の間も、向かいの席では阿鼻叫喚のExcel教室が続いている。しかしセリフだけを聞くと、どう贔屓目に見ても、Excelの授業とは思えないから不思議だ。

「先生!? コピーしたセルにところどころに、『#VALUE!』の文字が!?」
「そのとおり。これは、オートフィルでコピーする時に、Excelが気を利かせて参照セルをズラしてくれているからだ。いつもは心強い機能が、ここでは仇となっている」
「私たちを航空爆撃で援護してくれるけど、基地運営にも心を傾けねばならない諸刃の剣……まるで基地航空隊のようですね……」
「このままでは、世界は火を継ぐ者のいない、闇の王エンドを向かえてしまう。そうなってしまえば……」
「……この戦いで勝利を手にすることは……このままでは、人類は……世界は……ッ!」
「古い言い伝えでは……太陽がなくなると世界は氷りつき、花は枯れ鳥は空を捨て、街中焦りだし騒ぎ立て、人は
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