俺が生きる理由
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る訳には……!
すぐそこまで来ていてる死を、俺は弾くかのように野太刀を弾いた。
「…………殺す。」
俺は、現実世界で習った一つである構えをとる。
剣を右手で握り、自分の目線まで持ち上げ肘を後ろにする。
左手は剣に添えるかのように前に向け、左足を前に置き、右足を後ろに引いて軸を真ん中に置く。
所謂、天然理心流の構え方だ。
そして相手の目を見るのではなく────。
シュッ……。
「Check mate.」
その言葉と同時にパリンというポリゴンの音へとボスは変わった。
だが、その音とは別に……
バキン
俺の剣が破壊された。
「……ここまでありがとう。」
俺は礼を言いながら、その場に倒れる。
聞きなれた声が俺の名前を呼んでいる気がした。
気付くと、見慣れない天井だった。
どこかの宿だということは分かるが、あとは何もわからない。
「ここは……ん?」
お腹辺りに重さを感じた。
顔を上げて自身のお腹を見てみると、そこには寝ている幼馴染みの姿。
「アスナ?」
「ん……あおくん!?」
アスナは俺の声に反応したのか、物凄い勢いで肩をガシッと掴んで……
「大丈夫!?どこか痛いところとかは!?」
「お、落ち着いて……」
「落ち着けるわけないでしょ!」
「はいはい、落ち着きなさいよアスナ。ライが話せないでしょ。」
ガチャっと扉が開いたと思えば、現れたのはピンク色の髪の毛の少女”リズベット”と黒髪の少年”キリト”だった。
「リズー……だってぇ……。」
「もー、泣かないの。」
涙を流すアスナにリズが、なだめているとキリトが話しかけてきた。
「大丈夫か?」
「あぁ、あれからどれぐらい経った?」
「3時間…だな。」
「あおくんのばか!1人でまた無茶して!」
「こら、アスナ!リアルネームは駄目でしょ。」
アスナはリズに注意され、ハッとしていた。
「と、とりあえず!君は1人で無茶をしすぎ!」
「別に俺は無茶なんてして……」
「してるの!」
俺の反論にアスナの言葉が重なる。
「何で無茶してるって思うんだよ。」
俺は少しキレ気味に言った。
そんな俺にびっくりしたのかアスナはぎゅっとスカートの裾を掴み、言葉を放った。
「いつだってそうじゃない!1人で危ない目にあって、どうしてそんな死にかけるようなことばかり……!」
「……お前に何がわかるだよ」
「……!?」
「俺に生きる価値なんて無いんだ、俺は約束を……!
何も知らないお前が知っているかのような事言うな!」
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