俺が生きる理由
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”月夜の黒猫団が壊滅した”
その現実を受け止めきれていないまま、俺は攻略に進んだ。
あれから半年が経ち、第50層ボス攻略が今から始まろうとしている。
「……くん、……イくん、ライ君!」
「っ!?」
「大丈夫…?」
俺の肩を揺すりながら心配そうな表情を見せ、顔を覗いてきたアスナ。
「あ、あぁ。大丈夫、ただボーっとしてただけ。」
俺は笑顔でそう言った。
しかし、アスナは納得していないようだったがギルドメンバーの元に戻った。
──アスナには気づかれてはいけない。
俺は腰にある剣を握る。
「ライ、お前……」
「何でもない、クラインは準備しなくていいのか?」
「大丈夫だ、エギルが完璧にしてくれたからな!」
「そうか。」
そして、今回のリーダーが声を発した。
「解放の日のためにー!」
『おー!』
扉が開かれ、攻略組は次々中へと入っていく。
──戦闘の始まりだ。
ガキン!
「ライ君、スイッチ!」
俺がボスのヘイトになった瞬間、アスナとスイッチ。
細剣上位ソードスキル《スター・レインズ》
「アスナ、スイッチ!」
キリトが前に出て、切り付けていく。
「はぁぁぁぁ!」
片手剣上位ソードスキル《フローズン・セイル》
「キリト、スイッチだ!」
「行け、ライ!」
俺はキリトとスイッチし、同時に右側から来た野太刀を剣で受け流し地面へと誘導する。
そして、誘導したことによって出来た左側の隙に入り込み剣を構える。
片手剣上位ソードスキル《フォルト・サーチェンジ》
攻撃を受けてヘイトが再び俺に付いた。
だが、今の俺は硬直しているため動けない。
そんな事はお構い無しに剣が振り落とされ、俺は後方に飛ばされる。
「ぐはっ……!」
「ライ君!」
「アスナは、ライの下に行け!ここは俺達が持つ!」
──やべぇ……HPが残り数ミリ……
俺はポーションを飲もうと手を動かすが動かなかった。
硬直だけでなく、攻撃された余波が残っているのか手は痺れたかのように動かない。
だが、俺からのヘイトは外れない。
ボスはキリト達を反対側に飛ばし、俺の元に近づいてくる。
──あぁ、俺はこれで死ねるのか……サチ、ケータ、ダッカー、テツオ……ごめんな……。
俺は覚悟してゆっくりと目を瞑った。
「あおくーん!!」
一つの声が聞こえるまで。
──今の……声は……。
自分を『あおくん』と呼ぶのは一人しかいない。
気づけば、俺は手元に落ちていた剣を握った。
──まだ動ける……彼女にこれ以上……剣を握らせ
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