暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
308部分:第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその十二

[8]前話 [2]次話

第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその十二

「そこまでは」
「いいえ、あいつみたいな奴はね」
 賈駆もまだ言う。
「本当に殺しておくべきよ」
「同感や。恋もそう言うで」
「ううん、それでも」
 董卓はここでもだった。暗い顔を見せるのだった。
「そこまでは」
「だから。月は優し過ぎるのよ」
 賈駆は困った顔で彼女を見て言った。
「ああいう奴は本当にさっさと処刑しないと」
「そや。むしろキムとジョンのところに入れたんは温情やで」
 張遼もここまで言う。
「どうせ反省もせんしな」
「でしょうね。他の面々も大体同じやけれどな」
「特に山崎はね」
 賈駆は彼も問題視していた。
「あいつ、相当悪事慣れしてるわよ」
「そやな。そういう目してるわ」
「ああいう奴も首を刎ねればいいのよ」
「むしろキムやジョンは更正させようとする分優しいで」
「優しいの?」
 二人の言葉にだ。董卓は難しい顔になった。
「そうなの」
「そうよ。まあ二人のやることは口出ししないでおきましょう」
「したらややこしいことになるで」
 また言う二人だった。
「そういうことでね」
「ほな次のことやけれど」
「治水よね」
 董卓は政治の話をはじめた。
「黄河が。また荒れてきたし」
「そうよ。今のうちに何とかしましょう」
「どないする?お金はあるけれど人手は足りんで」
「人はいるわ」
 だが董卓はこう返してきた。
「兵隊さん達が」
「えっ、兵を使うんかいな」
 張遼はそれを聞いて目を少ししばたかせた。
「戦に使うんやなくてか」
「だって。戦は民を守る為にあるでしょう?」
 これが董卓の考えである。
「そして治水もまた」
「そうよ、民を守る為よ」
 賈駆もそのことはわかっていた。そしてだ。
「だから。同じだというのね」
「うん。それでどうかしら」
 また言う董卓だった。
「人手はそれで」
「そうね」
「ええんちゃうか?」
 二人はそれを聞いてまずは頷いた。
「それじゃあすぐにね。兵達を集めて」
「そないするか」
「そうして。治水はそれで行きましょう」
 あらためて言う董卓だった。
「兵隊さん達を集めてね」
「うん、細かいことは私も手伝うから」
「うちが現場の指揮にあたるわ」
 こうしてだった。キムとジョンのしごき地獄はとりあえず放っておいてだ。そのうえで内政にかかるのだった。董卓達も多忙だった。


第二十五話   完


                2010・8・13

[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ