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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第五八話 
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夕暮れ、焼ける空が徐々に黒へと移り行く中で幾つもの戦術機や航空機が滑走路へと着地し移動していく光景を二人で見やる。

「忠亮さんが教練を申し出てくれたのには訳があったのですね。」
「ああ、仮にも摂家の一員となったからにはそう簡単に時間は作れん―――全く一時的だというのに面倒な事だ。惚れた女との時間を作るのにも理由付けがいる。」

そう嘯く忠亮、彼が五摂家へ養子入りしたのは仮にも五摂家の直系である唯依との婚姻のためであり、尚且つ斑鳩家が彼の後見として立つための段取りでもある。

「……忠亮さん、ひょっとして怒ってますか。」
「―――少しな、こんな場所にお前を置いておくしか出来ん事が苛立つ。」

徐に手にかけたフェンスの金網を握る。ギシャっと金網独特の音が鳴る。
唯依をこの場から退散させるだけならば容易い。しかし、そうなれば唯依の代わりの人間がここに配されるだけであり、その人物が犠牲となる可能性もある。

正直、そんなこと知ったことかとやる事は出来るし、XFJ計画そのものを潰すという選択肢もある。
だが、そうなれば唯依が選んで進んでいる道を他ならぬ己自身が潰すこととなってしまう。

其れは彼女への裏切りと成ろう。断じて許容できない。


「‥‥私には怒ってないのですか?」
「何故だ?」
「だって、私がこんなことを言い出さなければ……忠亮さんに要らぬ労を掛けることも・‥‥それに、自分じゃどうしようもないのが歯がゆくて、悔しくて。」

俯き下唇を噛みしめる。
口惜しさが溢れて言葉にならない―――だが、頭をなでる感触に顔を上げた。

「要らぬ苦労じゃないさ。確かに心配はしている、ここが戦場になるのは変えられないことだ。だが―――己はお前のための苦労を要らぬとは思わない決して。」
「忠亮さん……」

「それに、お前はこれが必要な事なのだと感じたのだろ?ならば必要になる時が来るさ、(おれ)は信じている。」

夕日を背にはにかむ笑顔に目を細める。全幅の信頼と親愛、それを向けてくれるこの人が大切だった。
頭を撫でていた手が下りてきて頬を撫でる。まるで硝子細工を扱うようにそっと、優しく。

「俺に守らせてくれ、もう己は無力じゃない。」
「忠亮さん……でも、私は。」

「己はお前の夫になると決めた―――もう、決めたんだ。だからその為に必要なことを成す、それだけだ。」

梃でも動かない、唯依はそう悟った。
この人の一念を曲げることは自分には出来ない―――いや、してはいけない。


「もう、頑固なんですから。―――仕方ない人ですね。」
「面倒か?」

問い返す、それに唯依は首を左右に振った。

「私もあなたの妻になると決めたのです。すべて織り込み済みですよ。」

はにかんだ笑みで見上
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