307部分:第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその十一
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第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその十一
「御前達はそのまま労働だ」
「わかりました。それじゃあ」
「まずは戻って」
「それでここにですね」
「急げ」
今度は一言だった。
「いいな、すぐにだ」
「わかりました」
こうしてだった。三人は重傷を負い気を失っている三九六を運んでいく。その周りでは山崎や幻庵達が働かせられていた。後ろにはジョンがいる。
「さあ皆さん頑張るのです」
その足元ではアースクエイクが転がっている。
「これが終われば次は楽しい稽古の時間です」
「休みねえのかよ」
「起きて寝て飯食う以外は何もないケ」
山崎と幻庵はツルハシを使いながら文句を言う。
「ったくよ、ちょっと怠けたらよ」
「ああなるケ」
幻庵はアースクエイクを見る。見れば気を失っている。
「恐ろしい場所だな、ここは」
「わし等にとっては地獄だケ」
「なあ、あの二人ってな」
「地獄から出て来たのか?」
「鬼なのか?」
三人の男が二人のところに来て問う。
「容赦なく働かせて修行させてよ」
「手加減なしで殴って蹴るしよ」
「おまけにずっとここから出られないしよ」
労働と修行の日々なのである。
「何だってんだよ」
「首刎ねられないで済むって聞いたのによ」
「何だよ、死ぬよりやばいだろ」
皆で話す。そしてだった。
ここにジョンが来てだ。彼等に言う。
「君達、わかっていますね」
「は、はい。よく」
「仕事はしてます」
「安心して下さい」
「それならいいのです。労働は美徳です」
見ればジョンにしろキムにしろ自分達もツルハシなりシャベルを持って爽やかに汗をかいている。ただし爽やかなのは二人だけだ。
「それでは今日もです」
「働きますです」
「その後は修行をさせてもらいます」
「笑顔で」
「そうです。笑顔で頑張りましょう」
こう話してだった。彼等はチャンやチョイ達を隔離して強制労働と修行をさせていた。そこには光なぞ一切なかったのだった。
そしてだ。それについてだ。董卓も気にかけていた。
「キムさんとチョイさんだけれど」
「ああ、あの二人ね」
「どないしたんや?」
今の彼女の前には賈駆と張遼がいる。二人が彼女に応えた。
「やり過ぎじゃないかしら」
「やり過ぎって?」
「そう思うんやな」
「うん。ずっと強制労働と修行よね」
董卓もこのことを聞いていたのだ。
「それはちょっと」
「仕方ないでしょ」
「人によるけれどな」
二人はそれについてはこう言うのだった。
「特にあの萬三九六っていうのは」
「うちが殺してもよかったんやで」
二人の目はここで剣呑なものになった。
「あんな奴。もうね」
「華雄やなくてもや」
「殺すべきだったというのね」
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