【RB1】
【RB第一話】
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揺れる電車内、窓から流れる景色――その一望に広がるのは海とカモメの群れと漁をしてる漁船。
電車内には真新しい制服に袖を通した新入生がちらほらと見受けられる。
「でねでね! この間行ったお店がさー」
「えー? そんな酷いことされたのー?」
「昨日のRBバトル最高じゃなかった!? 俺、スッゲー興奮した!」
車内の喧騒に怪訝そうな表情を浮かべたのは有川来栖――。
「……うるせーな、電車内で騒ぐんじゃねぇよ……」
「に、兄さんってば……」
聞こえないように呟く来栖だが誰が聞いてるかわからない由加は焦る。
幸いにも聞かれてはいなかった様で車内の喧騒は続いていた。
小さく舌打ちをする来栖に、由加も困った表情を浮かべたが――。
「あっ、兄さん。見えてきたよ?」
「あん?」
柄の悪いチンピラの様な受け答えだが、それでも妹に反応して窓から外を眺めた。
見えてきたのは巨大な人工島――一番に見えたのは巨大なドームだった。
その手前にあるRB養成学校、専門科にRBパイロット科、整備科、設計科とRBの為の専門教育機関となっている。
また、校庭は人工島の向こう側まで続く滑走路にもなっていて、その滑走路の横にはRB倉庫やスクラップ置き場などが散見して見えた。
「うわぁ……これから彼処で勉強するんだね、私達」
「……んなわかりきった事言ってんじゃねぇよ」
「えへへ、それもそうだね。あ、あれって寮かな?」
そう言って指差す先に見えた建物――ちらほらと学生らしき姿が見えた。
「……とりあえず由加、落ち着け。このまま乗ってりゃ、直に着くしな」
「はぁい。……兄さんは新生活、不安じゃない?」
「あっ? ……別に不安なんかねぇよ。てか入学式が面倒だからこのままフケたいぐらいだ」
「もう、ちゃんと出ないとダメなんだからね? やっぱり兄さんには私がついていないと……」
「けっ、誰も頼んでねぇよ。保護者気取りかよ」
「ひっどーい! 兄さんの意地悪」
悪態をつく来栖――車内の喧騒も少し落ち着きを見せた頃、学園駅に電車が到着した。
一斉に下りる新入生、二人も下りてそのまま駅構内を歩き、外に出る。
目の前に広がる並木道には咲き誇る桜の樹が新入生達を出迎えていて、風が吹く度桜の花弁が舞う。
「わあっ! 兄さん兄さん! 桜がスッゴく綺麗です!」
「チッ……んな事ではしゃぎやがって……」
花びら舞う桜並木道を歩く二人、暫く歩くと学園正門が見えてきた。
ここを抜ければ二人の新生活が始まる――そんな矢先。
「あっ……く、来栖? 来栖じゃな
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