悲しき少女の思い出は
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慌てていると、後ろから少しポッチャリとした、同じ年頃の少女が駆けてくる。
「待てリズリー!!私じゃない!!」
「じゃあなんでその子が泣いてるんだい!!」
「私に聞くな!!」
二人が押し問答をしている間も幼女の泣き声はどんどん大きくなっていく。それで正気に戻ったリズリーは、ソフィアを抱き上げる。
「よーしよし、あの怖いお姉ちゃんがごめんねぇ」
「だから私ではないと言っているだろう!!」
泣いているソフィアをあやそうと優しく声をかけるリズリー。すると、ソフィアも落ち着いてきたのか、次第に泣き止んでいく。
「お姉ちゃん、だぁれ?」
落ち着いてくると、目の前の人物たちが一体何ものなのかという疑問に狩られる。なので、彼女は涙を拭いながら、目の前の二人に問いかける。
「あたいはリズリー。で、こっちはカグラっていうんだ」
「カグラさん?」
涙の引いてきたソフィアはリズリーから離してもらうと、最初に姉と間違えた人物に歩み寄っていく。
「さっきはどうしたんだ?いきなり泣かれてびっくりしたぞ」
「ごめんなさい・・・」
ペコリと悲しそうに頭を下げたソフィアは、顔を上げるとじっとカグラの方を見つめる。
(ちょっと似てるかも)
最愛の人物によく似ている少女をじっと見つめているソフィア。そんな彼女を見ていたカグラは、ソフィアの目線の高さに合わせるように屈む。
「こんなところで何してるんだ?親は?」
これだけ小さな幼女が一人でいるのを不自然に感じたカグラはそう問いかけると、再び幼女の目から涙が溢れてくる。
「なっ!?」
「なんだい?何かあるならお姉さんたちに話してごらん?」
きっと何か事情があると察したリズリーがソフィアに問いかける。彼女は涙ぐみながら、今までの出来事を二人に語り始めた。
「そりゃあひどい目にあったねぇ」
「グスッ」
ソフィアを自分たちが所属する魔導士ギルド、人魚の踵に連れてきた二人は、村を襲われ、家族も友人たちも、みんな殺されたことを知った。
「その姉に私が似ていたから、抱き付いてきたのか」
「でも実際はこんな怖い姉ちゃんでビックリしたんだね」
「アラーニャ!!」
ギルドに着くと、二人と同じくらいの年齢の白いドレッドヘアの女性も相席し、熱心に話を聞いていた。そのアラーニャがからかい気味にそう言うと、ソフィアは首を振る。
「お姉ちゃんじゃなくて驚いただけで、別に怖かったわけじゃないです・・・」
しかし、姉が死んでしまったという事実は彼女に取っては計り知れないほどのダメージがあった。正直これからどうすればいいのか、彼女はわからず、また泣きそ
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