305部分:第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその九
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第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその九
「そういうこととか探検とか訳のわからないことをするから困るのだ」
「まあそれでも行きましょう」
孔明が話をやや強引に進めさせた。
「行かないとはじまりませんよ」
「そうよね」
「その通りね」
劉備と神楽が孔明のその言葉に頷いた。
「まずは袁紹さんのところへ」
「全てはそれからね」
「はい、その剣を取り戻しましょう」
「けれどどうしてなのかしら」
劉備は今度は首を右に捻った。
「どうして袁紹さんが私の剣を」
「多分勝ったんじゃないでしょうか」
孔明はそう推理した。
「袁紹さんの袁家はかなりのお金持ちですよね」
「そうだな。袁家はな」
関羽もこのことはよく知っていた。
「四代に渡って三公を出しているしな」
「それでそうしたお宝も集めているのだと思います」
こう話す孔明だった。
「それでなんですよ」
「だから私の剣も」
「多分盗んだ泥棒が売ったんだと思います」
孔明の推理は続く。
「そうして袁紹さんのところにも」
「天下の回りものなのだ」
張飛はここまで話を聞いて述べた。
「まさにそれなのだ」
「そうよね。それで劉備さんのところに戻る」
馬岱が笑顔で話す。
「それで見事大団円ね」
「そうだな。だが」
「袁紹殿だからな」
趙雲と馬超も袁紹を問題にしていた。
「何かあるな」
「絶対に何か引き起こすな」
「それは覚悟しないといけないわね」
黄忠も少し苦笑いだった。
「そうしていざ、といきましょう」
「そうだな。ところでだ」
ここで最後の一人が口を開いた。
「いいか」
「あっ、白々ちゃん」
「白蓮だ」
公孫賛が劉備に言い返す。
「これまで何度真名を間違えたんだ」
「御免なさい」
「まあいい。それでだが」
彼女は難しい顔になって一同に話すのだった。
「あの八神庵という男私には一度も声をかけなかったな」
「あっ、そうね」
馬岱も言われて気付いた。
「そういえば一度も」
「それは何故だ?」
このことを言うのだった。
「何故私には一度も声をかけなかったのだ?」
「ええと、それはですね」
孔明が苦笑いを浮かべ顔に汗を見せていた。
「やっぱり」
「影が薄いからか!?」
自分から言ってしまった。
「私の影が薄いからか。それで気付かれなかったのか」
「だから自分で言ったらだ」
「おしまいなんだけれどな」
「凄く気にしてるんだ」
その彼女に趙雲と馬超と馬岱が言う。
「しかし。確かにな」
「八神の奴一瞥もしなかったからな」
「そうだったわよね」
「何で私はいつもこうなのだ!」
今更ながら嘆く公孫賛だった。
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