黒衣を狙いし紅の剣製 03
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ていたらしいし。
「バイトとか雇わないんですか?」
「雇いたいとは思うが……そうなれば面談の時間も用意せねばならぬからな」
誰かが手伝いにきている時ならともかく、普段はディアーチェさんひとりなわけだし営業中だと面談の時間が取れないでしょうからね。客が居るのに奥で面談をするわけにもいかないし。
「貴様らの紹介ならばそのような手間も省けるのだが」
「うーん……でも私達の知り合いって大体ディアーチェさんも知ってますし」
「そうね……私達も休日ならともかく普段は仕事があるわけだから」
どうにかしてあげたいとは思うけど、なかなか難しい問題よね。
比較的ヴィヴィオとかなら時間は取れそうだけど……年齢的にお手伝いはともかくバイトとして働かせるのはどうかと思うし。そもそも……いくら魔法世界の就職年齢が低いとはいえ、あのなのはさんがバイトを許すわけないもんね。
あの人の収入だけで十分な額があるわけだし、散財しているイメージもないから貯蓄はあるだろうから。
「あ……ノーヴェとかは? 確か前に新しいバイト先探してるってあんた言ったなかった?」
「そういえば……言ってたかも。救助隊で技能訓練とか格闘技以外はバイトしてたし、ノーヴェなら適任かもね。ディアーチェさんが良いのなら私から話しときますよ?」
「ふむ、あやつか……」
微妙な表情を浮かべてるディアーチェさんは何を考えているのだろう。
元々はあの事件の首謀者側だから思うところが……って、そんな心が狭い人ではないわよね。大抵のことは怒りはしても許してくれる人だろうし。そうでないならはやてさんとかシュテルさんが顔を合わせる度にからかったりしないだろうから。
となると……単純にノーヴェの性格とか言葉遣いを気にしてるのかもしれないわね。男勝りというか強気な子だから。
でも……まあ昔と比べたら敬語とかも使ったりすることはあるし、大丈夫な気もする。そもそも、そのへんのことを言ったらディアーチェさんの方があれかもしれないし。
「どうしたティアナ? 我に何か言いたいことでもあるのか」
「い、いえ! その、ノーヴェならいいんじゃないかなって。あの子も大分大人になったというか、割と素直になりましたし」
「まあ……毛嫌いしていたショウへの態度も変わったと聞いているからな。そうなのだろう……スバル、悪いがノーヴェに話をしておいてくれるか? ただ無理強いをするつもりはない故、気が向いたらバイトせぬか程度の勧誘で構わん」
「はい、分かりました……あのディアーチェさん」
「ん?」
「ティアも来たんで……そろそろ注文してもいいですか?」
あ……あんたね。
私が来るまで待っててくれたんでしょうけど、もっと自然な顔で言いなさいよ。真顔で言うから何事かと思ったじゃない。
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