様子がおかしい
昼
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
陽の図形を描き、スタイル設定でやや赤が強めの立体的なスタイルに変更すると、それを最背面に移動し、2つを重ねて……
<i6863|34044>
「太陽ッ!!」
「これでモチヅキ殿も太陽の戦士ッ!!」
ま、またしてもやりやがった……! この変態太陽野郎はExcelの機能だけを使って、自分が胸に描いたものそっくりの太陽のイラストを作りやがった……!! しかもモチヅキさんと2人揃って、Y字ポーズで気持ちよさそうに伸びてやがる……ッ!?
「いやぁ! やはりお天道様は素晴らしいですなぁ!!」
「それが分かるモチヅキ殿も、また太陽の戦士っ!!」
二人して元気よくY字のポーズを取っている、80近い老人とコスプレ太陽戦士の2人。ここに来て間もないころの違和感を久々に思い出した。大丈夫かこの教室……?
何か熱い視線のようなものを感じ、その方向に顔を向けた。
「……!?」
神通さんが、ソラール先輩とモチヅキさんに熱い眼差しを向けていた。俺と目が合った途端、顔を真っ赤にしてサッとうつむき、そして何事もなかったかのように画面を凝視し始める。……まさか、一緒になってあのポーズをやりたかったわけではないだろうな……。
「す、すみません遅れましたッ!!?」
タイミングよく教室内に大声が鳴り響いた。入り口を見ると、岸田さんが立っている。こちらに深く頭を下げ、恐縮しきっているようだ。その姿に、以前のような不遜な感じはまったくない。ロートレクさんの強烈なシゴキの効果か。
「ぁあ岸田さん。お待ちしてました」
俺は入り口で頭を下げ続けている岸田さんに声をかけた。岸田さんはハッとして顔を上げ、俺の顔を見るなり、感激したように目をうるうるとうるませ始めた。きもい。
「か、カシワギ……せん……せい?」
「はい。カシワギですが……」
「も、もう体調は……いいの?」
「はい。おかげさまで大丈夫ですよ」
「本当に?」
「はい。げんきーっ!!」
何度も『大丈夫か?』と問いかけてくる岸田さんに対し、俺は両手で力こぶを作って、自分の元気さをアピールしてみせた。……しかし、カワイイ女の子ならいざしらず、若干顔が皮脂でテカっている男に、涙目で顔を見つめられるというのは、なんだか落ち着かなくて仕方がない。正直、やめていただきたいのだが……
「よ、よかった……本当に……じゃあ今日からはまた、カシワギ先生が俺の担当になるんですか……!?」
「ええ。基本的に岸田さんの担当は俺ですから」
「よかった……もう、あの地獄のタイピングブートキャンプは行わなくていいんですね!?」
「ぁあ、ロートレク先生にこってりと絞られたらしいですねぇ」
「よかった……これで、前のような穏やかな授業が……ふぇぇええ」
俺の復活
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ