4年の時を超えて
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私はつい彼の元に向かって、抱きついてしまった。
「うわぁ!?ど、どうした?」
「………久しぶりだね。」
あおくんは私の行動に驚きつつも苦笑しながら、頭を優しく撫でてくれた。
「それで、急にどうしてこっちに?」
私は冷静になってから彼から離れて全員が椅子に座ってから気になった事を聞いてみた。
「んー、ただ高校を東京にしようと思っただけだよ。」
彼は手元に置いてある紅茶を飲みながら話した。
「蒼くんらしいわね、それで輝星さんと藍衣は?」
輝星さんは、あおくんのお父さんで藍衣さんはお母さんの名前。
「父さんと母さんもこっちに来ていますよ。」
そう彼が言うと、お母さんは少し微笑んでいた。
──お母さんが笑ったの何年ぶりに見たかな
それぐらいにお母さんが笑うのは珍しかった。
藍衣さんとはとても仲良かったのは今でも覚えているが、笑わなくなったのは何時からかは覚えていない。
「今度、父さんと母さんも一緒に来てご挨拶に向かいますね。」
「えぇ、その時には是非お茶をしましょう。」
そんな会話が終わると、お母さんがタブレット端末の電源を切り席を立ちながら言った。
「明日奈、部屋に案内してあげなさい。」
「え?」
「久しぶりに会ったんだから積もる話もあるでしょう、今日は好きなだけ話なさい。」
──お母さん……
私は「はい。」と返事をしてから、あおくんの手を引っ張り廊下を出て階段を上った。
「あ、明日奈!?」
私は自室の扉を開けて、彼を座らせた。
「えっと明日奈さん?」
彼は戸惑いながらも私の顔を覗くようにしてきた。
「明日……!?」
「あおくん!」
──もう駄目、今日の私なんか変……
「京子さんに何か言われた?」
彼は私がいきなり抱きついたにも関わらず、冷静に聞いてきた。
「ううん、大丈夫」
「そっか、辛かったら言えよ?」
「うん。」
そんな会話が続き、気づくと夕方になっていた。
「あ、そうだ。」
「どうしたの?」
彼はゴソゴソと持っていた鞄を漁りながら、ある物を取り出して見せてきた。
「ナーヴギア…?」
「そう、MMORPGっていうゲームで今度”ソードアート・オンライン”っていうゲームが出るのは知ってるだろ?」
「うん、兄さんが言ってた。」
「さすが、浩一郎さん。」
「それでそれがどうしたの?」
「これ、俺プレイしようか迷っててさ。」
「一緒にやろ!」
「え?」
彼は私の発言に驚いたのか目をパチクリしていた。
「もともと兄さん当日に出来ないからって少し借りる予定だったし、あおく
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