302部分:第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその六
「俺が探し出してそのうえで殺す」
「そう。じゃあこれでお別れね」
「そこの女達だが」
八神は今度はあらためて劉備達を見回した。目だけでだ。
「この世界でも女も闘うのだな」
「それが普通じゃないんですか?」
劉備はこの世界での常識を話した。
「それは違うんですか?」
「こちらの世界のことはまだよく知らないが」
八神はこう前置きしてから劉備に言葉を返した。
「俺の世界よりも闘う女は多いな」
「そうなんですか」
「そこにいる女達は」
関羽達も見たのだった。
「相当な腕を持っているな」
「それはわかるのだ?」
「わかる。見ただけでだ」
そうだというのだった。
「それはわかる」
「そうなのか」
「そういうあんたも相当な腕なのだ」
張飛もはなす。
「使うのは何なのだ?」
「これのことか」
八神は張飛の言葉に応えてだ。右手を胸の前に出した。そうしてそこにだ。青い炎を出してみせたのである。
「青い炎か」
「それがあんたの炎か」
「京の炎は既に見ているな」
「うむ」
「赤い炎だった」
二人はすぐに草薙の炎について答えた。
「だが貴殿のそれは青い」
「どうしてなんだ、それは」
「青い炎の方が熱いのですが」
孔明はこのことを話した。
「貴方の炎もそうなのですか?」
「さてな。熱さまでは知らないが」
それはだという八神だった。
「だが」
「だが、か」
「それでもなのだ」
「俺の青い炎は八神家の炎だ」
それだと今度は関羽と張飛に対して述べた。
「その炎だ」
「八神家の炎なのね」
黄忠もその青い炎を見ながら述べた。
「その青い炎こそが」
「どうして青いのかなんですけれど」
劉備は自分でも気付かないうちに確信を衝いていた。
「それはどうしてなんですか?」
「それを聞きたいか」
「はい、どうしてですかそれは」
「では話そう。かつて俺の祖先はオロチと血の契約を交えさせた」
劉備達にこのことを話すのだった。
「それからだ。八神家の炎は青くなったのだ」
「それまでは赤いものだったのよ」
神楽も話したのだった。
「けれどオロチの炎は青いから」
「オロチ、あれか」
関羽の顔がその言葉を聞いて険しくなった。
「草薙がいつも言っているあの一族か」
「そうだ。祖先はオロチと血の契約を交えさせた」
それを話す八神だった。
「だが。俺はオロチとも群れない」
「オロチとは違うのか」
「違う」
関羽への返答も一言だった。
「それどころかオロチの奴等は俺を憎んでいる」
「何をやったのだ?」
張飛は既に八神の剣呑さを実にはっきりと感じていた。だからこそこうしてだ。彼に対してかなりぶしつ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ