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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第五十二話 第七次イゼルローン要塞攻防戦(その2)
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。まあ悪い事じゃない、シュターデンが焦ってくれればそれに越したことは無い。
遠征軍の動きを見る限り、こちらの動員兵力を知らなかったと見て良い。知っていればヴァンフリートにのこのこ出てはこなかっただろう。フェザーンも騙されたようだ。後々帝国とフェザーンの関係が難しくなりそうだがそれも今回の戦いの狙いの一つではある。
いずれ帝国との間に和平を結ぶ、となれば仲介者が必要だ。それも出来ればこちらに好意的な仲介者が良いだろう。日露戦争の時のアメリカのような。
シュターデン、残念だな、遠征軍は一週間動くのが早かった。後一週間遅ければラインハルトの艦隊と共同して同盟軍を叩けたのだ。そうすれば勝利は帝国のものだった。
最初、ラインハルトが増援として来ると聞いた時はこちらの作戦が読まれたのかと思い、目の前が真っ暗になったが一週間のずれが有ることでそうじゃない事が分かった。安心したよ、本当に安心した。それにしてもラインハルトが辺境に居た……、偶然じゃないだろうな。
誰かが念のためにラインハルトを辺境に派遣した、一体誰が手を打ったのか……。エーレンベルク、シュタインホフ、或いはオフレッサー、それともラインハルト自身か、なんとも帝国には手強い相手がいる。厄介な事だ。
イゼルローン要塞からは定期的に遠征軍、ラインハルトに対して送信が行われている。内容は戦闘の状況、それに伴う被害、そしてイゼルローン要塞への到着日時の確認だ。“遠征軍は五月六日に到着は間違いないか、増援軍は五月十四日の到着で間違いないか”必ずそれを通信している。
半分以上は同盟軍に聞かせるのが目的だろう。もうすぐ味方が来る、撤退するなら今のうちだ、要塞を攻め落とすというのなら急がないと間に合わないぞ、そう言いたいのだ。こちらの焦りを誘い無理攻めをさせたいらしい。失敗すれば損害を与えられるし時間も稼げる。
おそらくは要塞司令官シュトックハウゼンの策だろう。上手い手だ、俺もその立場なら同じ事をやるだろう。だが残念だな、シュトックハウゼン。今回ばかりは策が裏目に出た。一週間のずれが俺に見えてしまったのだ。
それが無ければ俺はシトレに撤退を進言していただろう。俺は要塞攻略には興味が無い、狙いは遠征軍の殲滅だ。そして出来る事ならイゼルローン駐留艦隊も叩き潰したい、そう思っている。そしてそれは十分に可能だ。ラインハルトの増援がそれを可能にしてくれる。
上手くいけばラインハルトも叩けるかもしれない。まあこっちは期待薄ではあるな。その程度の相手なら恐れる必要など無い。だがせっかく来てくれるのだ、それなりのもてなしはしなければならんだろう。一体どうやってもてなしてやるか……。
戦闘では無理だな、戦闘以外でもてなすべきだろう。帝国軍に、ラインハルトにダメージを与える、毒を流
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