プロローグ
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「ふっ!」
京都のある家の庭で、小学1年生ぐらいの少年が刀を降っていた。
そんな少年を廊下を歩いていた同い年ぐらいの少女が見つけ、見惚れていた。
少年が刀を振り、少女が見やすい場所で座ってみている。
それだけで時間はすぎていく……
「明日奈。」
「お母さん…」
「明日奈」と呼ばれた少女は、ハッとし後ろに振り返った。
「こんな所で何してるの挨拶に行くわよ、早く立ちなさい。」
「…はい。」
少し名残惜しそうにしながらも、明日奈は立ち上がり歩き出した母親についていった。
少年はそんな一連のやり取りがされていた事に気づいていたが、自分には稽古があると思い何もしなかった。
「あの子、誰だったんだろう。」
そう呟いた時、聞きなれた声がした。
「蒼、そろそろ終わりにして着替えてらっしゃい。」
「はい、母さん。」
「蒼」と呼ばれた少年は近くに置いていた青色の鞘に刀を戻す。
「熱心に頑張るわね、その剣も大切にしていて嬉しいわ。」
「剣術は楽しいですから。それに、この刀は父さんから頂いた物ですから。」
少年は廊下でたって待っている母親の元に走り、笑顔を向けていた。
「頑張ってね、蒼。」と笑顔で話す親子はそのまま通路を歩いていった。
ここは、有名な名家で京都にあるとある本家。
集まった人々は皆、ご令嬢や御坊ちゃんなどの大富豪家で一年に一度集まるのが今日であった。
そんな中、ある家族たちが挨拶をしていた。
「お久しぶりですね、桜雷さん。」
「えぇ、7年ぶりですね結城さん。」
その会話をしていた人たちはお互いが手を握り握手してから、お互い近くにいる子供の背中に手を回した。
「この子は7歳の明日奈です、挨拶しなさい。」
「ゆうき あすなです。」
「きちんとされてる良い子ですね、この子は蒼で7歳です。」
「あおいです、これからよろしくおねがいします。」
お互いの挨拶を済ませ、談笑する。
それが明日奈と蒼の始まりだった。
あれから8年後の今年、最後に会ってから約4年ぶりの再開を果たす。
デスゲームが始まるこの年に。
二人の剣士が立ち上がり、一人の魔王を倒すために。
己の大切な人を守るために剣を握る──────。
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