暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
53会議(独演会?)終了
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ような世界である。
 もし可能なら七年の歳月が巻き戻った瞬間、その時空だけ切り取ってしまい、規模が大きすぎて難しければ、この街だけを切り取るか、あゆがいる場所、森の中だけを切り取り、世界は巻き戻るに任せる。
 もしあゆが望むのなら、生きている母を過去の異世界からくり抜いて取り出し「あゆちゃんのゆめのなか」だけを世界にして、他は滅びるのを見ていれば良い。

『これも天使の人形君の計画の一部でしたが、その流れの中から個人を特定して取り出して、別の流れが起こっている世界に引き出すのは不可能です。物凄い勢いで押し流されている濁流から、子供だけ救うのが無理なように、瓦礫や倒木に邪魔され、自分も押し流されます』
 天使の人形の計画は以上だったが、全て計算違いで的外れで、あゆを救ったり(えにし)がある全員を救うこともできていなかった。
 天使の人形自体が若すぎたり無能なのではなく、この世の法則すら知らない状態から、まるで手探りで何も見えない真っ暗な場所の中で、どうにか水道の蛇口やコップを探り当てて水を飲み、他の人物にも飲ませ、手の感触だけで部屋の構造を覚え、トイレの場所を探し、停電して照明がつかない冷蔵庫の中を漁ったり、食料がある棚を探って食べ、一つでも間違うと餓死したり枯れ死したり罠に嵌ってゲームオーバー。
 また時間を巻き戻して、存在するのかどうかも分からない照明のスイッチの場所を探し続け、ついに外への脱出方法を探し当て、ようやく隙間から太陽光が差し込んでいるのが見えた状態になった。
 時間はかかったが、それらは全て奇跡に近いような針の穴を通す作業で、よくあるゾンビ物のゲームで、多数の避難者を連れたまま、囲まれるとすぐに自殺する要救助者や、こっちに来いと言っても、必ず悲鳴を上げて明後日の方向に走って逃げて食われるマヌケ。
 トイレの通路に誘導しても絶対に入らず、逸れたので外に出て探すと、必ずゾンビが多い方に向かって遥か彼方に走り去り、泣き叫んで食われる最低の低能を10人以上纏めて、やっとこの位置にまで到達して、要救助者を残らず連れて管理人室に迎え入れたような、何百回も奇跡が起こり続けて、ようやく、やっと辿り着いたトゥルーエンディングに入れるルートを見つけたので、天使の人形も泣いた。

 委員長は天使の人形の失敗を全て追体験して、それでも心が折れずにゲームを楽しんだ変態なので、昔のクソゲーの数々のような地獄ゲー、自分のキャラがどれだけ無様に惨めに殺されて死ぬのかを楽しんで、それを嘲笑うマゾゲーを遊んだ。
 ゲームバランスが完全に破壊されているインフェルノステージ。何一つヒントすら存在せず、攻略本も攻略サイト何も存在しない超クソゲーの鬼ゲーでも、別の学問の知識を総動員し、神や天使の思考になってプロファイリングして法則性を逆算した、ある意味キ*ガ*
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ