3部分:第一話 関羽二人の少女と会うのことその三
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第一話 関羽二人の少女と会うのことその三
「貴女は」
「私か」
「はい、貴女は何というのでしょうか」
関羽の横に来て問うのだった。
「宜しければお名前よ」
「関羽だ」
こう名乗るのだった。
「字は雲長」
「何っ、関羽!?」
「雲長っていったら」
ここでまた言う山賊達だった。その言葉はかなり驚いたものである。
「この国でも指折りの武芸者の」
「あの女かよ」
「そうかも知れん」
ここではあえてこう言う関羽だった。
「そしてだ。私はその山賊退治のだ」
「関羽さん」
ナコルルが構えながら言ってきた。
「気をつけて下さい」
「わかっている」
彼女が何を言いたいのか関羽にもわかっていた。
「この三人だけではないな」
「百人はいます」
周りを軽快する鋭い声であった。
「周りに」
「そうだな。わかっているのだな」
「気配でわかります」
まさにそれによってというのだ。
「例え何も言わずともです」
「そうだな。それではだ」
「はい」
「ナコルルといったな」
ここで彼女の名前を再度確かめた。
「聞かない名前だが共に戦おう」
「御願いします」
「さあ来い!」
その得物を両手に構えながら山賊達に告げる。
「命が惜しくなければかかって来い!」
「ママハハ!」
ナコルルも今度は鷹に対して言う。
「戦いましょう」
「なろお、女だからって容赦しねえぞ!」
「やっちまえ!」
ここで周りから山賊達が一斉に出て来た。そのうえで二人に襲い掛かる。しかしであった。
「ふんっ!」
関羽がその青龍偃月刀を振り回しすぐに何人も吹き飛ばす。
「貴様等なぞ相手ではない!」
「アンヌムツベ!」
ナコルルは姿勢を低くして突進し刀を振るいそのうえで山賊達を吹き飛ばす。関羽はそれを見て言う。
「強いな」
「アイヌの精霊の力です」
こう関羽に返すのだった。
「ですから」
「そうか、精霊の力か」
「はい、そうです」
こう話してであった。鷹の力も使い倒していく。忽ちのうちに山賊達は蹴散らされ残っているのはあの三人だけになっていた。
しかしその三人もだ。瞬く間に蹴散らされ慌てて遁走してしまった。
「お、覚えてやがれ!」
「今度会った時は容赦しねえからな!」
こう言って逃げ去るのだった。森の中は再び静かになった。
二人だけになると共に歩きはじめた。関羽はここでようやく落ち着いてその少女ナコルルと話すのだった。
「日本!?」
「はい、その蝦夷の地から来ました」
ナコルルは関羽と共に歩きながらこう答えるのだった。
「そこからです」
「日本。蝦夷」
「そこから海を越えてあらゆる国を巡っていました」
こうも言うのであった。
「よからぬ気配が世に満ちて
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