299部分:第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその三
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第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその三
これまでの笑顔を叱る顔にしてだ。そしてあらためて馬岱に話した。
「けれど」
「うっ、けれど」
「今度からはこんなことはしないで下さい」
仁王立ちになって馬岱を叱る。
「何かの童話じゃないんですから」
「う、うん」
「わかってくれればいいですけれど」
わかっていないのはわかっていて話す。
「とにかく。これで話は終わりです」
「じゃあ白々ちゃんのところに行こう」
「白蓮殿だろう?」
今度は関羽が劉備に突っ込みを入れる。
「私も中々覚えられない真名だが」
「とにかく行くのだ」
葛籠が楽になった張飛が話す。
「挨拶をしてから冀州に行くのだ」
「ええ、そうね」
黄忠が張飛の言葉にうなずく。そのうえで彼女達は公孫賛のところに向かうことになった。そうしてそこに着くとであった。
公孫賛がだ。笑顔で一行を迎えた。特に劉備をである。
「おお桃香元気か?」
「うん、白々ちゃん」
本人にも真名を間違える。しかも満面の笑顔でだ。
「元気だった?」
「白蓮だ」
本人はむすっとした顔になって言い返した。
「子供の頃から言っているだろう」
「あれっ、そうだったっけ」
「何度言えば覚えてくれるのだ」
今度は泣きそうな顔になった。
「全く。子供の頃からの付き合いだというのに」
「御免なさい。それでだけれど」
「うむ、何だ?」
何はともあれだった。話は本題に入るのだった。
「それで」
「これから少し用があって冀州に向かうの」
「冀州にか」
「うん、それで挨拶に来たの」
こう公孫賛に話す。
「暫く桃家荘を離れるから」
「そうか、それでわざわざ挨拶しに来てくれたのか」
「愛紗ちゃんが気付いてくれて」
自然とこのことも話す劉備だった。
「それでなんだけれど」
「それはそうだな」
今の劉備の言葉には公孫賛は少し昔を思い出した感じだった。
「御前はそうしたことにはだ」
「そうしたことには?」
「昔から忘れるからな」
こう劉備に話すのだった。
「というより覚えてくれないからな」
「ううん、そうかな」
「まあ御前らしくていいがな」
また話す劉備だった。
「桃香はそうでないとな」
「話がよくわからないけれど」
「つまり劉備殿は昔から変わらないのだ?」
「そうみたいね」
張飛と馬岱が二人のやり取りを聞きながら話す。
「天然さんだったみたい」
「公孫賛殿も昔から影が薄かったのだ」
「まあそれでだ」
公孫賛は話を切り上げてきた。
「冀州に行くのだな」
「うん、そうだけれど」
「そうか、それならだ」
劉備の頷きを受けてだ。公孫賛はあらためて言ってきた。
「私も一緒に行っていいか」
「白々ちゃん
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