0064話『梅雨の始まり。扶桑と夕立』
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」
「いいんですか…? それではご一緒させてもらいますね」
それで扶桑と一緒に席について料理を食べ始めていると、
「あー! 提督、扶桑姉さまと一緒に食事を摂っているんですカ!?」
「ああ、山城か。それならお前も一緒にどうだ? まだ食べ始めたばかりだから」
「くっ…髪のセットに時間がかかったために扶桑姉さまとの食事に出遅れてしまうとは…不幸だわ」
また山城の不幸自慢が始まっているけどさすがにこのままでは扶桑も食べづらいだろう。
だから、
「ほら! きびきび動く。待っていてやるからさっさと取って来い」
「わかっていますよ! …ああ、もうどうしてこう間が悪いのですか…」
そんな愚痴を山城は零しながらも食事を取りに向かっていった。
その山城の姿を見て扶桑はクスリと笑いながら、
「山城も素直になりましたね…」
「そうか? いつも通りだと思うけどな…」
「そんな事はありません。提督が山城としっかりと向かい合っていませんとこんな関係にはなれませんから。ですから私もとても感謝しているんですよ?」
「そ、そうか…。それならよかった」
「はい…」
扶桑はそれで少し儚そうに見える笑みを浮かべた。
扶桑の雰囲気にもマッチしていてとても綺麗だな。
そこに山城が戻ってきたのかどこか私にジト目を向けてきている。なんだ…?
「提督…? どこか扶桑姉さまと一緒だと楽しそうですね。少し嫉妬してしまいます」
「山城…? それは私に対して…? それとも…提督に対してかしら…?」
「や!? 扶桑姉さま、からかわないでください! 私はいつでも扶桑姉さま第一です! そ、その…提督の事は扶桑姉さまの次くらいには…」
山城はそれでゴニョゴニョと言葉を濁しながらも顔を赤くしている。
扶桑もそれで少しからかい気分が増したのか、
「うふふ…可愛いわね山城は。ね、提督?」
「そうだな」
「ね、姉さま〜…私で遊ばないでください…それと提督も扶桑姉さまと一緒になって悪だくみをしないでくださいぃ…」
「ごめんなさいね、山城。それじゃ食事を再開しましょうか提督」
「うん。まだ温かいからゆっくりと食べるとしようか。今日は雨で出撃任務はそんなに出来なさそうだしな」
ちなみに山城は扶桑の隣ではなく天然なのかちゃっかりと私の隣に座っていたのでそれもまた扶桑にからかわれる要因になっていたのはまた別の話であった。
それから食事も済ませて私は執務室で任務の確認をしているとそこに雨合羽を着ている夕立が姿を現して、
「提督さん! 外に遊びに行こうっぽい!」
「いきなりだな夕立。どうした…?」
「うん! 梅雨の季節に入ったからこのお気に入りの雨合羽を着るのが楽しみだったっぽい!」
「…まぁいいか。気
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