暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
ムカつくけど、安心する
夜〜明け方
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焼きうどんが尾を引いているのか……ぽかぽかと心地いい熱さを感じている俺は、次第に瞼が重くなってきた。川内の質問にはできるだけ答えてやりたいのだが、意識が少しずつ限界を迎え始めたようだ。

「カシワギせんせー? よみがなを振りたいんだけど……」
「……『ホーム』……フォントグルー……プ……」
「せんせ?」
「ルビ……」
「眠い?」

 川内が俺のそばまで来て、睡魔に囚われた俺の顔を覗き込む。俺の瞼は閉店寸前で、視界ももやがかかりはじめて、ほとんど何も見えない。

「ふぁ……」

 ふと。頭を撫でられる感触がした。

「……せんせ。おやすみ」

 うるせ……好き勝手に俺の頭をなでてから、背中向けてそっち行くな……。あ……ダメ……おち……

………………

…………

……

……

…………

………………

 熱い……まるで、人喰い部族に捕まって、焚き火の上で炙り焼きにされているのではないかと思うほどに、ひたすら熱い。暑いじゃなくて熱い。あまりの熱さに目が覚める。でも、あまりの熱さに意識がハッキリしない。

「ん……う……」

 冷たい手がパジャマの中に無造作に入ってきやがった。また川内がパジャマの中に手を突っ込んできやがったのか……人が動けないことをいいことに、人の体を好き勝手いじくりやがってこんちくしょう……俺の脇から何かを取った川内は、それをジッと見た後、俺の顔を覗き込んできやがったようだ。

「汗かいてる……やっと下がりだしたかな……」

 とても静かで落ち着いた、川内の心地いい声が耳に届く。立ち上がった川内は一度台所のほうに向かったみたいだ。視界にもやがかかっていてよく見えないからか、川内の足音や声が、妙に胸に響いてくる。それが胸にとても心地いい。トントンという優しい足音が、俺の胸に心地いい刺激を与えてくれる。

 冷蔵庫を閉じるバタンという音の後、川内が何かゴソゴソやっている。戻ってきた川内が手に持っているものは……タオルにくるまれた、氷枕のようだった。

「よっ……」

 川内が俺の頭を静かに抱え、頭の下に氷枕を置いてくれる。

「……んう」

 やっと視界がクリアになってきた。もやが消え、周囲の景色がハッキリと……見えなかった。

「あ……起こしちゃった?」

 俺の視界一杯に、川内の綺麗な顔が写っていた。俺の頭の下に氷枕を置くため、川内は前かがみで俺の頭を抱え上げているのだが……おかげで、俺の顔と川内の顔が、酷く近い。

「……いや」
「ごめんね」

 それこそ、お互いの息が顔にかかるほどに。

 だが、不思議となんとも思わない。むしろ、妙な安心感がある。なんというか、『見守られてる』という感じがする。

 氷枕を置いたら
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