第4章:日常と非日常
第109話「夏休みが終わって」
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?」
「えっとねー、優ちゃんと司ちゃんがこうなってるのに気づいて、それで動揺しちゃってその隙で....ほら。」
「あちゃぁ....。」
どうやら、動揺した際に攻撃をモロに食らって気絶してしまったらしい。
...まぁ、見られたら見られたで面倒臭い事になってそうだが。
「悪いけど気つけを頼む。」
「了解だよー。それ。」
だとしても、気絶させっぱなしはダメという事で、起こす。
それに、今日の特訓はもう終わりだしな。
「いつつつ...って、てめぇ!?」
「目が覚めたかー?次からは動揺で動きを乱さないようになー。」
「そうじゃねぇ!なんで司に...!」
起きるとやっぱり司がもたれかかっているのに突っ込んできた。
椿や葵も羨ましそうに見てたからなぁ...。
「成り行きだ成り行き。...それと、起こす訳にも行かないから静かに。」
「ぐ...!...くそっ!」
僕の言葉に、王牙は渋々大人しくなる。
最近はある程度素直に言う事を聞いてくれて助かる。
「じゃあ、僕が連れて帰るし、王牙も帰っていいぞ。」
「変な事したらぜってぇ許さねぇからな!」
「しないっての。椿と葵もいるし。」
そう言いながら、王牙は帰って行った。
それを見て、僕らも司を背負って帰る事にする。もちろん、起こさないようにだ。
「...知り合いに見られたら噂になりそうだな...。」
「そうね。」
司を送り届けるために、背負いながら街を歩く。
幸い、そこまで人通りが多くないから、見かけられても微笑ましく見られるだけだ。
「ん.....。」
「っ....。」
背負っているため、司の寝息が僕の首辺りに掛かる。
それに、発育中とはいえ、背中に女性特有の...これ以上はよそう。
椿の視線が怖いくらいに鋭い。
「....優輝、君....。」
「...まったく、世話が焼ける親友だ。」
僕を求めるように呟かれたその声に、僕はそう反応を示すしかなかった。
僕を慕ってくれてるのは分かるのに、それに応えられないのがもどかしい。
「よし、着いたな。」
「インターホン鳴らすねー。」
葵にインターホンを鳴らしてもらい、司の母親が出てくる。
「あら?貴方は....。」
「友人の優輝です。司と一緒にいたんですけど、眠っちゃったので...。」
「遅くなるとは聞いていたけど....あらあら...。」
なぜか微笑ましそうに僕と司を見る司のお母さん。
「ふふ、幸せそうに眠っちゃって...。」
「後はお願いします。それじゃあ、僕らはこれで。」
そういって、僕らも家に帰る事
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