第4章:日常と非日常
第109話「夏休みが終わって」
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するだろう。
でも、その時は優輝君を振り向かせるようにしたい。
...だから、今はこのままで....。
=優輝side=
「人によっては、甲斐性なしとか言われるんだろうな。」
肩にもたれかかる司から目を離し、遠くの方で特訓を続けている三人を眺める。
...結局、司に想いを告げられそうになっても、僕は応える事ができなかった。
受け入れると言ったが、それは“保留”に近いものだ。
...やっぱり、甲斐性ないな。僕。
「(やっぱり、少しおかしいな...。)」
導王の時は、ちゃんとシュネーの事を愛していた。
前世だって、片想いした時はちゃんと“好き”だと自覚していた。
...だけど、今はそんな想いを一切抱く事ができない。
「(大事には思っている。だけど、恋愛に発展する訳でもない。)」
家族とか、親友とか、そっちの方面でしか好意を持ってくる相手を見れない。
どうしても、僕自身が恋愛感情として“好き”だと思えないのだ。
「(...考えても、仕方ないか。)」
きっと、今まで色々あったからなのだろう。
日常の中にいれば、いつかは以前のように“好き”だと思えるようになるだろう。
「(どんな形であれ、僕が司や皆の事が“好き”だと言うのには変わりないしな。)」
だから、きっと今はこれでもいいと思っている。
「えっと...優ちゃん?」
「っと、終ったのか?」
「ええ、そうね。....で、“それ”は一体何なのかしら?」
ふと司に向けていた視線を戻すと、椿と葵が目の前に立っていた。
「....って、あれ?司?」
「....すぅ....すぅ...。」
反応がないとは思っていたが、いつの間にか司は眠っていた。
ちょうど木漏れ日が少し当たって暖かい場所だったからだろうか?
...それとも、僕に体を預けてる事による安心感からだろうか?
「どうして、そんな羨ま...そんな状況になっているのかしら?」
「(言い直した...。)どうしてって言われてもなぁ....成り行き?」
司から始まった会話を続けていたら、こうなっただけなのは確かだ。
その過程で告白に近い状況になったりはしたが、そこはまぁご愛嬌って事で。
「ふ、ふーん...。」
「羨ましいよねぇ...。」
「ばっ...!?な、なに言ってるのよ!?そ、そんな訳...!」
椿と葵による毎度恒例の会話が繰り広げられる。
相変わらず、口元が引き攣っていたりと分かりやすいな椿。
褒めたりするとすぐに花を発生させたり...まぁ、そういう所がいいんだけどね。
「...所で、王牙は
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