第4章:日常と非日常
第109話「夏休みが終わって」
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向けられた際にどうすればいいのかよくわかってないんだよ。」
「....そっか...。」
優輝君は、前世で恋した事があるとはいえ、好意を向けられた時にどうするべきなのかは分からないと言う。...まぁ、私もわからないし、普通だとは思うけど...。
......うん...。
「ねぇ、優輝君....もし、私が今ここで告白したら、受けてくれる?」
「...えっ?」
椿ちゃんと葵ちゃんは未だに帝君と模擬戦をしてる...今がチャンス...!
「...私、優輝君の事....!」
「っ...ま、待ってくれ司。」
「っ.....。」
顔が赤くなるのを自覚しながら、想いを打ち明けようとして、止められる。
「...うん、司が僕にどんな想いを抱いているのかは、漠然とだけど分かってる。....でも、僕はそれに応える事はできない。」
「ぇ.....。」
「さっきも言った通り、どうすればいいか分からないんだ。」
「そ、そっ...か....。」
きっと、誰から見ても私はショックを受けて落ち込んでいるように見えるだろう。
何とか平静を保とうとしているけど、やっぱりショックが大きい...。
「...でも、受け入れる事はできる。」
「えっ....。」
「...な?」
「っ〜〜....!」
まるで、私の気持ちを汲み取ってくれるかのような言葉に、私は何とも言えない高揚感に見舞われる。
「っ、優輝君...!」
「わっ、っとと...。やっぱりか?」
「うん...!ごめんね、気持ちが抑えられなくて...!」
気持ちの赴くまま、優輝君に縋りつくように体を預ける。
「...そっか...。その様子だと、色々葛藤はあったみたいだな...。」
「...うん、ありがとう、受け入れてくれて...。」
直接は言っていないけど、優輝君は私の想いを理解したのだろう。
...でも、“好き”はきっちりと言いたい。
...けど、それは...。
「(...今じゃなくても、いいかな...。)」
元々、偶然見かけてついてきただけ。
雰囲気もあったものじゃないし、ここで直接言うのはダメだと、今更ながら思った。
「....いいのか?」
優輝君は、それ以上何も言おうとしない私を気にして聞いてくる。
それに対し、私は優輝君の肩に体を預けながら答える。
「...うん。今は、いいよ。今は、これで満足だから...。」
「....そうか...。」
やっぱり、好きになってもこういった“親友”らしい関係が気に入ってるのだろう。
体を肩に預ける...それだけでも、私は満足だった。
いつかは、ちゃんと告白
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