第4章:日常と非日常
第109話「夏休みが終わって」
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。私のせいで勝てなくなるも同然だから。
でも、その反面嬉しいという気持ちも強い。それはもう、舞い上がりたいぐらい。
「........。」
ふと、私が優輝君と一緒に走っている姿を想像する。
...それだけで、顔が熱くなるのがわかった。
「....あれ?」
そこで、ある存在を見つける。
「優輝君と....帝君?どうしてあの二人が...?」
優輝君が先を歩き、それに渋々と...だけどやる気のある表情で帝君がついて行く。
珍しい組み合わせだった。さっさと教室を出たのは彼と待ち合わせしてたのだろう。
「(...ついて行ってみようかな?)」
見た所、不穏な様子は少しもない。
それに、優輝君なら信頼できる。
そういう訳で、私はこっそりと二人の後をつける事にした。
「(ここは....空き地?)」
ついた場所は国守山の木々がない少し開けた場所。
確か、アリシアちゃんが弓の特訓を受けてる時に使ってたっけ?
「待ってたわよ。」
「付き合わせて悪いな。」
「いいよー、あたし達も暇だったし。」
そこには、椿ちゃんと葵ちゃんが待っていた。
それを事前に話していたのか、帝君はいつものように絡まず大人しかった。
...海での一件以降、まただいぶ大人しくなったんだよね。
優輝君が女の子になった際の姿に一目惚れしたかららしいけど。
「(...また何とも複雑な関係のような...。)」
“志導優奈”という人物は存在しない。...けど、優輝君はその人格を“創造”した。
無意識下での創造だったからか、二重人格になってしまったけど...。
まぁ、つまりは帝君は優輝君のもう一つの人格に惚れたようなものだ。
...どう考えても実る気がしない恋なんだけど、それ...。
「それじゃあ、始めるぞ。まず僕が相手するから、全力で掛かってこい。だけど、威力が高すぎる武器は禁止な。結界が持たないし。前回と同じように、無駄な所とかは指摘していくから、随時直しておくように。」
「わーったよ。さっさと始めるぞ!」
「...“せっかちすぎる人は嫌いだよ”。」
「ぐふっ...てめぇ!!」
「あっはっはー。」
そんな会話と共に、結界が張られて二人の模擬戦が始まる。
...というか、優輝君、完全に言葉で手玉に取ってるね。声真似でからかうなんて。
それにしても、“前回”って事はこれが一回目じゃないんだ。
「(....凄いなぁ...。)」
雨あられのように飛び交う帝君の武器を、優輝君は的確に相殺する。
魔力をほとんど無駄にする事なく、身体強化した拳やリヒトで弾いてるのだ。
偶に包囲さ
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