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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十一話 軍を反転させ一路帝都オーディンを目指します。
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る。それ以外に助かることができるのは彼女が意図的に除外した人間だけであった。
「自由惑星同盟はシャロンが掌握したとみて間違いはないわ。」
ラインハルト、キルヒアイスらごくわずかな人数で開催された会議上イルーナはそう言った。並の人間であれば絶対に信じない言葉であるが、ラインハルトもキルヒアイスもシャロンと直接会ったこともあれば、彼女の恐ろしさを耳に胼胝ができるほど聞かされている。
「では、自由惑星同盟は彼女の下で団結し、此方に攻め寄せてくるでしょうか?」
キルヒアイスがイルーナに尋ねる。彼女が帝国に侵攻するか否か、これは幾度も話し合われた事柄であったが、キルヒアイスとしてはここで再確認しておきたかったのかもしれなかった。
「いえ、彼女の性格からしてそれはないわ。同盟が帝国に逆侵攻をするのであれば、それこそ長大な補給線を構築し、かつ民衆に支援するための食糧、プラントなどが必要になるから。同盟は食糧危機に直面し、各個撃破の餌食になるだけという事をよく知っているはず。おそらくはこちらを縦深陣形に誘い込んで殲滅するという基本作戦それ自体を変更することはないでしょう。」
「しかしイルーナ様、彼女もまた転生者である以上、そのような危険性は既に承知のはず。各星系に目を配らず、最小限度の航路を確保し、一路真っ直ぐに帝都を直撃するのではないでしょうか。」
キルヒアイスの発言に転生者たちは目を見張った。確かにその通りである。アムリッツアの愚行は同盟軍が民衆を「解放」したことに端を発している。逆に言えば民衆には眼もくれず、まっすぐに中枢を直撃すれば、そのような心配はなくなる。
「でもキルヒアイス、そういうことをすれば余力を残している私たちは敵の後背を遮断して袋の鼠にすることもできるわよ。航路を確保すると言ってもそこに常時数個艦隊を張り付けておくわけにはいかないでしょう?」
ティアナが異議を唱えた。
「おっしゃる通りです。ですが、フロイレイン・ティアナ、あなた方からの話ではシャロンという方は手段を選ばない非情な性格の持ち主だと伺っております。」
キルヒアイスにしてみればそのような人間は許し難い存在なのだろう、かすかに額のあたりに嫌悪の色が出ている。
「そのような方であれば、犠牲をいとわず、数個艦隊すらをも捨て駒にして特攻を仕掛けてくる可能性も捨てきれないと思いますが。」
「まさか、そんな!」
フィオーナは思わず声を上げたが、教官の視線とぶつかって声を閉ざした。
「同盟の戦力が豊富であること、数個艦隊を捨て駒にしても、私たちに大打撃を与えることができること、彼女の中の天秤がそれらを判断材料にして『決行』に傾けば、躊躇いなく実行するでしょうね。」
ローエングラム陣営bQの参謀総長は表向きは冷静にそう言ったが、その表情は明るいものではなかった。
 その時、
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