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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十一話 軍を反転させ一路帝都オーディンを目指します。
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ラッドレー派閥は窮地に陥ることとなった。主だった軍の高級幹部は悉くシャロン派に塗り替えられ、唯一首がつながっているのはシトレ大将本人と一部の正規艦隊司令官たちというありさまだった。
良識派と呼ばれる最後の砦は第一艦隊司令官クブルスリー中将、第五艦隊司令官アレクサンドル・ビュコック中将、第十艦隊のウランフ中将、第十二艦隊のボロディン中将、第十七艦隊のヤン・ウェンリー中将、そして、意外なことに第九艦隊のバール・ビュンシェ中将が同調したのである。それ以外はすべてシャロンの事実上の配下になっていたのだった。
「あのビュンシェめ!!儂が生きて帰ったら絶対奴を降格にしてやる!!」
と、かつてヴァンフリート星域会戦でロボスが吼えまくった相手であり、陽気な40代の髭面であったが、その後も「報復」は行われることもなく、かといって華々しい出世をすることもなく彼は第九艦隊司令官として卵を抱くニワトリよろしくその席を温め続けてきたのであった。
シャロンはこれら良識派に対して表向きは如何なる処置も下さなかったどころか、むしろ強化する姿勢を取った。チュン・ウー・チェン少将がビュコック中将の参謀長として赴任したほか、ウランフ提督の下にライオネル・モートン少将を、ボロディン提督の下にラルフ・カールセン少将を配属させたのである。
どういうおつもりですか、という転生者たちの質問に対して、
「いずれイーリス作戦の際にはシャロン派、良識派の区別はなくなるわ。全同盟軍が一丸となって総あたりにならなくては勝ち目はない。兵力の絶対数には限りがあるわ。限られた力を最大限に活かすことそのためには1プラス1が2にも3にもなる組み合わせをしなくてはならないと思っているの。ただそれだけの事よ。」
むろん、とシャロンは微笑を浮かべながら言葉をつづけた。
「用済みになり次第良識派とやらはいつでも始末することができることをあなたたちもわかっているでしょう?私たちは他の転生者とは違うのだから。」
彼女はそう言うと、すぐさま軍拡と艦隊の再編成、そして対フェザーン政策の一環としてかねてより準備してあったある計画準備を関係各位に向けて発令させた。これが水面に浮き出てきた際のフェザーン人の反応を思い浮かべながら。
シャロンが自由惑星同盟を掌握したとの知らせは電撃的に帝国にもたらされた。それを最後に帝国情報部、そしてアレーナが構築した情報網も十全な活動ができなくなり、通信が途絶えつつあった。
「シャロンが例の『魔力』を発揮したのだわ。」
その知らせを聞いたとき、艦隊旗艦ヴァルキュリア司令室でイルーナは唇をかんだ。帝国諜報部員もアレーナの構築した情報部員もほぼ彼女の犠牲になったとみていいだろう。彼女の魔力に触れたものは免疫がない限りは無条件で彼女を信奉し、彼女の為に死す「人形」と化すのであ
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