296部分:第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその十一
[8]前話 [2]次話
第二十四話 劉備、剣のことを聞くのことその十一
「何処に行ったんだ」
「他の者はここにいるというのに」
「寝坊か?」
馬超は顔を顰めさせてこう推察した。
「ったくよ、仕方ない奴なのだ」
「全くなのだ。それにしても」
張飛はだ。背中にあるものを背負っていた。それは。
「この葛籠かなり重いのだ」
「その葛籠何なの?」
「お弁当を入れているみたいなのだ。けれどそれでも重過ぎるのだ」
こう劉備にも答える。
「食べ物にしてはなのだ」
「そうなの」
「けれど持って行くのだ」
決断した張飛だった。
「とにかく袁紹のところに行くのだ」
「むっ、そういえばだ」
ここで関羽がふとあることを思い出した。
「袁紹殿は今西の方に出兵していなかったか?」
「ああ、あれだよな」
馬超も関羽のその言葉に応える。
「羌のだよな」
「そう、それにだ」
このことを思い出したのである。
「だから今は西に行かないと会えないのではなかったのか?」
「あっ、それは大丈夫です」
だがここで孔明が一同に話した。
「袁紹さんはもう冀州に戻っておられます」
「戦に勝ったのだな」
「はい、そうです」
にこりと笑って趙雲の問いに頷く。
「西方は平定されました」
「早いな」
「確かに」
皆それを聞いてそれぞれ話す。
「西に向かったのはこの前だというのに」
「もうなのか」
「ただ。兵はまだ西にあります」
孔明はそれはだというのだ。
「戦には勝ちましたが完全な平定はまだですので」
「袁紹本人は冀州に戻っている」
「そういうことなのね」
「袁紹さんは戦だけしていればいいというわけではありませんので」
孔明はこのことも指摘した。
「政治もありますので」
「政治か、そうだったな」
関羽もその言葉に頷いた。
「あの方はただ戦をしていればいいのではなかったな」
「ですから。今はです」
「とりあえず冀州にいるのですね」
劉備はこのことを確認した。
「それなら」
「はい。主だった方々を連れて戻っておられます」
孔明は劉備にも話した。
「ですから今行けば御会いできますよ」
「何かと癖がある人だけれどな」
馬超はかつてのことを思い出して述べた。
「それでも悪い人じゃないしな」
「そうだな。会わないと何もできぬしな」
関羽も話す。
「まずは冀州に行こう」
「はい。では行きましょう」
最後に劉備が言ってだ。そのうえで神楽を入れたいつもの面々で冀州に向かう。しかし実はだ。彼女達だけがいるのではなかった。
第二十四話 完
2010・8・11
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ