ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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だろう……だが、このターンが始まる前に何を考えていたかを思い出すことだ』
僕が何を考えていたか、か。そうだ、メビウスにエルフェンの効果を使わなかった理由を訝しんでいたんだった。ここまでの動きに対し沈黙を貫いてきたことから考えて、あの伏せカードは召喚反応や効果反応の類ではない。となると、残る選択肢は攻撃反応?魔法の筒のような対象を取るカードが相手ならジズキエル無双の始まりだ、で済むけれど、相手は鎧田。1回のミスが致命傷になりかねない相手だ、ここはさらに用心しておこう。
「……こい、海亀壊獣ガメシエル!」
迷った末に呼び出したのは、巨大な海亀。壊獣の中でもワーストクラスに低い攻撃力を持つこのモンスターだが、内に秘めた効果はトップクラスに強力だ。
KYOUTOUウォーターフロント(3)→(4)
海亀壊獣ガメシエル 攻2200
「このガメシエルには一切の制限がかかってない、よってバトルもできる。ダイレクトアタックだ、ガメシエル!」
「2200はいくらなんでもデカいからな。トラップカード、魔法の筒を発動!その攻撃力、そっくりそのまま跳ね返してやるぜ!」
「やっぱり攻撃反応か……なら、貰った!ガメシエルの特殊効果、渦潮を発動!壊獣カウンター2つをコストにその発動を無効にして、さらにゲームから除外する!」
「何!?」
「悪いねえ、今回は僕の読み勝ちさ!」
灯台から伸びる光のうち2本がふっと消え、ガメシエルの巻き起こした水の大渦が表になったトラップを巻き込んで押し流していく。今度こそ邪魔立てされることなく、太い尾の一撃がクリーンヒットした。
KYOUTOUウォーターフロント(4)→(2)
海亀壊獣ガメシエル 攻2200→鎧田(直接攻撃)
鎧田 LP3200→1000
「ちっくしょう……!」
「ほらほら、さっきまでの威勢はどうしたのさ?」
『なあマスター、急に出てくるその小物っぽさはどうにかならないのか?』
失礼な。小物じゃないもん、空気読んでヒールやっただけだもん。グレイドルと壊獣の2大嫌がらせテーマを両立させようとしてる時点で、今の僕はどう見てもただの悪役。それは自覚してるし、なら盛り上げるためにはそれ相応のムーブっちゅうもんが必要不可欠だ。
『……私の好みは同じ悪役でも、せめてもう少し大物なのだが』
「大物ってことは偉いんでしょ?やだよ偉いのなんて、肩こっちゃうもん。僕は下っ端のプロだよ」
『随分弱そうなプロもあったものだな』
脳内でわあわあ言い合っているうちに、鎧田もすっかり気を取り直したらしい。ガメシエルの力を知りながらいまだ衰えない闘志を燃やし、次の一手を求めてデッキに手を掛けるのが見えた。
「まだまだ巻き返してやるぜ、俺のタ
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