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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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ーの域をはるかに通り越した代物だ。どう考えても目立ってしょうがないからこっちの世界では使わずにいようかとも一時は思ったが、それは覇王軍に対抗するためこの試作品を一生懸命作り上げた三沢に対して失礼というものだろう。いつか彼が帰ってきたらアップグレードとかしてもらえるかもしれないし、それまではテスター役の意味も込めて使い続けるつもりだ。
 ……ただ、やっぱこれ目立つよね。僕にとって幸いだったのは、こんな雑な説明でも納得するほど鎧田が大雑把、というか無頓着だったことだ。

「そっか、なら仕方ねえな。まあお前らが本校だしな、アイテムも回ってきやすいんだろ。だがな、デュエルはディスクでやるわけじゃねえ」

 いやデュエルディスクでやるんですが。これ以上ぐだぐだ漫才するのもどうかと思うので、喉まで出かかったその言葉はぐっと飲み込んだ。
 もう、本校とノース校の観客の期待値は最大まで高まっている。いいねえこの感じ、最近は野外でやたら暗い中ひとりぼっちの戦場ばっかりだったんだ、ギャラリーたくさんってのは悪くない。いよいよもって元の世界に戻ってきたんだなあ、なんてしみじみできる。

「俺たちの実力でやるもんだ!行くぜ、清明!」
「上等上等!わざわざ来てもらったところ悪いけど、返り討ちと洒落込んであげようか!」

「「デュエル!!」」

 先攻を取ったのは……僕。鎧田相手に後攻を譲るのはあまり嬉しくない……というより、僕のデッキは相手の出方で強さが変わる後攻特化型だ。もう少し先攻向きのカードも入れたほうがいいかもしれない、なんてことを思いつつ、まずは様子見から入ることにする。

「グレイドル・アリゲーターを守備表示で召喚!さらにカードをセットしてターンエンド、どっからでもかかってきな!」

 床に広がる銀色の水たまりと、そこから湧き出す緑色のワニ。普段はインパクトとのコンボ攻撃ばかりしているから、こうやって壁として配置するのは久しぶりだ。

 グレイドル・アリゲーター 守1500

「なんだなんだ、それで終わりか?そんな程度で俺に勝とうってんなら……遥かに遅いぜ!俺のターン、ドロー!永続魔法、黒い旋風を発動だ。そして来い、BF(ブラックフェザー)−蒼炎のシュラ!」

 BF−蒼炎のシュラ 攻1800

 巨大な腕を持つ、二足歩行する鳥人間。黒というより藍色に近い翼をはためかせると、フィールドに置かれた黒い旋風のカードからその名の通り風が吹いた。

「黒い旋風は俺がBFの召喚に成功した時、その攻撃力以下の攻撃力を持つ同胞をサーチできる。俺はこの効果で月影のカルートを加えるぜ。バトルだ、シュラ!」

 鋭い爪の二連撃が唸り、アリゲーターの体が深々と切り裂かれる。だがその傷口から血が飛び出すようなことはなく、かわりに滲み出た
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