ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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てる僕の調子が狂う。
そんなことを考えていたりしているうちに、気づけば3日などあっという間に過ぎていた。ああ、こんなに何事もなく日々が過ぎるなんて、一体どれだけぶりだろうか。
そんな感じでしんみりしていたら、ついにその時が来た。付いてきた万丈目や学校トップの立場として出迎えないわけにはいかない鮫島校長らと一緒に港に出てじっと水平線を眺めていると、小さな点のようなものがその先に見えてきた。やがてその点はぐんぐん大きくなり、やがて何隻もの船団となって近づいてくる。やはりというべきか、その先頭を走る船の先頭には鎧田が立っていて、こちらを認めて大きく手を振る様子が見えた。
「なんだなんだ、出迎えかー!?久しぶりだなコノヤロー!あ、サンダー!お久しぶりです、元気してましたかー!?」
「相変わらずうるさい奴だな、お前は!そんな遠くからわざわざ挨拶しなくていいから、早く上がってこい!」
負けず劣らずの大声で返す万丈目の顔は、言葉とは裏腹に実に生き生きとしていた。面倒見のいい万丈目のことだ、去年別れてからもサンダー四天王たちのことはずっと気にかけていたんだろう。留学生が来るときも、ノース校の名前には1人だけ反応してたし。
葵ちゃんには試合中の売り子としてなるべく愛想よく振る舞うことと、万丈目のコネを使い万丈目グループ経由で仕入れておいた大量の缶ジュースやらこの3日で作りためておいた菓子類やらをどんな手を使ってでも全品売りさばくことをお願いしておいた。
最初にこのお願いをした時の『何考えてんですか先輩は?』とでも言いたげなゴミを見るような目は忘れられないけど、今日がビジネスチャンスなのは動かしようのない事実。それに彼女なら、なんのかんの言っても後者はきっちりやってくれるだろう。前者については、とりあえず言ってはみたけどぶっちゃけそんな期待してない。普段の僕に対するみたいにあまり手厳しく毒を吐かずに、そつなく対応してもらえれば十分だ。ここで重要なのは実質男子校状態になっているノース校からくる健全な男子高校生に、葵ちゃんという客観的に見てもかなりの美人を売り子としてぶつけることだ。去年は光の結社絡みのごたごたでそれどころじゃなかったけど、これは絶対うまくいくはずだとはあの頃からずっと思っていた。まさか実現するころには僕が3年になってるとまでは思わなかっただけで。
というわけで本業の方は心置きなく葵ちゃんに押し付け、僕はこちらに集中すればいい。一番大きなデュエル場の中心で鎧田と向かい合い、水妖式デュエルディスクを展開する。
「おおっ、なんだそれ!?どこで売ってんだそんなの!?」
「あ、わかるー?でも悪いけど一点物でね、予備もなければ売る気もないよ」
この三沢謹製デュエルディスクは、どう見てもオーバーテクノロジ
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