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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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前もどうせ、卒業したらプロの道に進むんだろ?今日の借りはそこで利子つけて返してやるから、その時までに覚悟決めておけよ」
「……出港だ。ではサンダー、お元気で」
「おっと。悪いな天田、今行くぜ。じゃあな清明、また会いましょうサンダー!」

 それだけ言って船に飛び乗ると、ゆっくりとノース校の船団が動き始める。次第に加速して離れていく船の上で、大きく鎧田がこちらに手を振っているのが最後まで見えた。

「ふぅー……」

 慌ただしかった1日に一区切りついた時特有の奇妙にけだるい独特な感覚や、爆弾発言を唐突にぶち込まれた時にありがちな思考が追いつかないあの感じ。そういったものがごちゃ混ぜになり、ため息を吐くことしかできずに振り返る。すると、同じような表情の万丈目と目が合った。

「な、なあ、清明」
「あー、うん、言いたいことはわかるよ……」
「俺たちの進路、か……」

 卒業。その言葉の意味するところは、頭ではわかっているつもりだった。だけど僕には、そしておそらく万丈目にも、その先の進路のことなんてまるで頭になかった。卒業したら、進学するなりプロ入りするなり、あるいは別の道に進むなり……とにかく、なんかしなくちゃならない。
 言葉にするとそれは当然のことだけど、不思議なことにこれまではそこに考えが至らなかった。それだけに今の発表、校舎こそ違えど同じ系列の高校に通う同級生がもう進路を明確に決めたというこの事実は、僕らの心にずっしりと重くのしかかることとなった。
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