ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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」
「そのまさかさ!モンスター効果で破壊されたイーグル2体は、それぞれ寄生効果を発動!僕の元に来い、アンデットフェザー達!」
「2体同時にだと……?そんなの、そんなのありかよ……!」
ありなんだな、これが。マナーはともかく、ルールはちゃんと守った戦術なんだから。寄生、というよりも洗脳の一撃を受け、額に銀の紋章をつけられたシロッコとブラストがスライムの両脇に並び立つ。もはや壁となるモンスターのいなくなった鎧田を、今やこちらの側に付いた2体のアンデットが死神の羽根をまき散らしながら疾風のようなスピードで切り裂き、貫いた。
「バトルだ、シロッコでダイレクトアタック!」
「ち、ちくしょおおお!」
BF−暁のシロッコ 攻2000→鎧田(直接攻撃)
鎧田 LP1000→0
こうしてデュエルアカデミアノース校と本校との、ずるずると毎年続いた結果なぜか3年間にわたることとなった戦いには一応のピリオドが打たれた。リーダー格のサンダー四天王も、そのライバルだった僕も、来年にはもう卒業してしまう。多分だけど、そうなれば彼らがわざわざ対抗合戦しにくることはないだろう。結局この葵ちゃん売り子作戦は、今年の1回が最初で最後のチャンスだったということだ。まあ、それでもここ最近の開店休業をある程度補える程度には黒字になったから良しとしよう。
そして時がたち、オレンジ色の夕日が水平線の向こうに沈もうとする時間。慌ただしく帰っていこうとするノース校の面々を見送りに来た僕らは、殿を務めるためギリギリまで港に残っていた鎧田と最後の会話をしていた。
「鎧田!」
「……なんだ、お前かよ。いいか遊野清明、今回は俺の負けだ。それは認めてやる。だがこの屈辱、次は世界中の人が見てる前で晴らさせてもらうからな」
そう言ってビシッと指を突きつける鎧田。リベンジは歓迎するけど、世界中?だがその言葉には、僕より先に万丈目が反応して会話に入り込んできた。
「鎧田、それはどういうことだ?そういえばお前、さっきも子供が見たら怖がるって言われたから純構築に寄せてみたとか言ってたよな。ノース校で何かあったのか?」
その疑問に誇らしげな顔を見せる鎧田。その口から放たれた言葉は、僕ら2人を驚愕させるには十分な破壊力を持っていた。
「実はですねサンダー、この間ノース校にプロリーグの視察って人が来て。俺のデュエルスタイルがえらく気にいったみたいで、卒業したらぜひうちに来いって連絡先まで貰ったんですよ」
「なにぃ!?」
「嘘っ!?」
「ところが本当なんだよ、清明。今日だってノース校に帰ったらまたその準備があるから長居できないわけだしな。なんなら、名刺も見せてやろうか?一応その後で調べてみたけど、身元は確かな老舗の団体からのお誘いだぜ。お
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