ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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撃のため残されたたった1ターンをうまく使えるかどうかは、すべてこの1枚の引きにかかっている。
ねえ、そんな賭けって素敵じゃない?
グレイドル・イーグル 攻1500
「100足りないか……運がよかったな、ターンエンドだ。ここでシロッコの効果も切れる」
BF−黒槍のブラスト 攻3700→1700
清明 LP100 手札:1
モンスター:グレイドル・イーグル(攻)
魔法・罠:壊獣の出現記録(0)
場:KYOUTOUウォーターフロント(2)
鎧田 LP1000 手札:0
モンスター:BF−暁のシロッコ(攻)
BF−黒槍のブラスト(攻)
魔法・罠:なし
場:アンデットワールド
「僕のターン……ドロー!」
ゆっくりとデッキに手をかけ、この勝負の明暗を分けることになるたった1枚のカードを引きぬく。見るのが怖いような、でも早く見たいような、そんな矛盾する感情で板挟みになりながらも、そっと手の中のカードをこちらに向けた。この一挙手一投足に、鎧田の、そして会場中の注目が集まっているのを肌で感じる。本当に久々に味わう、表舞台特有のこの緊張感。
ここでひと波乱起こさなければ観客が、そして僕が面白くないし、何よりこのまま負けるなんて、それは真のデュエリストのやることじゃない。このシチュエーションに僕のデッキは、ばっちりと応えてくれた。
「さあ、何を引いたんだ?」
不敵に笑う鎧田だが、すでに奴も余力の全てをさっきの攻撃に費やしたために、これ以上罠が仕掛けられてないことはわかっている。だとすればこの勝負、これで決まる。
にやりと笑い返し、そのカードを場に出してみせた。
「グレイドル・イーグルの2体目を召喚!」
ゴーストタウンに浮かび上がる、銀色の液体が変態した1羽の黄色い鳥の姿。これだ、まさに僕は、このカードを引きたかったんだ。
グレイドル・イーグル 攻1500 水族→アンデット族
「また寄生効果か?だが、お前のライフはもう残り……」
「忘れたの?グレイドルの真価は、戦闘だけじゃないってことを!僕の墓地に存在する、グレイドル・スライムのモンスター効果を発動!場のグレイドルカード2枚を破壊し、墓地のこのカードは特殊召喚できる!」
グレイドル・スライム 守2000 水族→アンデット族
2体のイーグルの体がどろりと溶けて足元で混じり合い、倍のサイズになった水たまりが中央から盛り上がって再びグレイ型宇宙人の上半身へと変化する。ゴーストタウンのメインストリート、その中央に陣取ったスライムの上半身がおもむろに両腕を差し出してその長く細い指を真っ直ぐ前に向けると、指の先から不可思議な光線が放たれてシロッコとブラストに命中した。
「な、なんだ……まさか!
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