ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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全てがアンデット族に書き換えられ、さらにアンデット族以外のアドバンス召喚が禁止される悪夢のような空間。アドバンス召喚をほとんど利用しないくせに爆発力と展開力を併せ持つBFと組み合わせることで、相手にのみこの空間のデメリットを押し付ける……それが鎧田の、僕も僕で大概だけどこいつもこいつで結構いやらしい基本戦術だ。読んで字のごとく文字通りのゴーストタウンと化したKYOUTOUで、僕らのモンスターが気味の悪い動く死体へと変化していく。
グレイドル・スライムJr. 水族→アンデット族
BF−暁のシロッコ 鳥獣族→アンデット族
「これで俺のBFは、全てUFへと進化した。さらにもう1枚行くぜ、黒槍のブラスト!」
「あー、やっぱり引いちゃったか」
僕がここで引かれることを恐れていたカードの1枚、黒槍のブラスト。自らの背丈ほどもある漆黒の槍を手にした鴉天狗の姿もまた、召喚された瞬間にはすでに腐肉へと変化していたが、その身に秘めた特殊能力は生前のままいささかの衰えもない。そしてそれは、その横のシロッコも同じことだ。
「もうどうなるかは、言わなくてもわかるよな?暁のシロッコの効果を発動!1ターンに1度俺の場のBF1体に、他の全てのBFの攻撃力を集中させる!」
BF−黒槍のブラスト 攻1700→3700 鳥獣族→アンデット族
「そして、黒槍のブラストは……」
「ブラストは、貫通能力を持つ。バトルだ、ブラストでその小っさいスライムを攻撃!ブラック・スパイラル!」
僕の言葉の後半を引き取るかのように高らかに宣言し、ブラストが支持を受けて高く飛び上がる。空中から槍を構えて一文字に突っ込んでくる姿はまさに、獲物を正確に貫く死神の翼が生えた死の弾丸だった。その衝撃は銀色のスライムを貫通しただけに留まらず、なおも収まりきらない衝撃波が僕に直接届く。
BF−黒槍のブラスト 攻3700→グレイドル・スライムJr. 守2000(破壊)
清明 LP1800→100
KYOUTOUウォーターフロント(1)→(2)
「ジュ、Jrの効果発動!戦闘破壊された時、デッキから別のグレイドルを特殊召喚できる……来て、イーグル!」
ゴーストタウンに四散した銀の水滴が再び集まったかと思うと先ほどまでのグレイ型宇宙人スタイルから一転した黄色い鳥の姿となって蘇り、低空にホバリングする。こんな首の皮1枚で繋がったようなライフで貫通能力を持つブラストを立たされた以上、イーグルに繋げるのはかなり分の悪い賭けだ。アドバンス召喚が封じられた現状、そのリリースに当てることすらできない。鎧田にもう1ターン回したら、どうあがいても確実に僕が負ける。
でも、次のドローであのカードさえ引くことができれば、話は全く変わる。この反
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