ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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ことができた。ジズキエル、サンダー・ザ・キング、ガダーラを呼べば今のような最悪の事態だけは避けられたはずだし、上から殴ることに長けたあの3体ならうまくすればこのターンで終わらせることも可能だったはずだ』
「出現記録、か……」
そこまで丁寧に解説されて、やっと今のターンで自分が何をしでかしたのか理解できた。壊獣カウンターが2つあり、なおかつガメシエルが僕の場にいるという事実だけで完全に満足して、そこで思考停止していたことに今更ながら気づく。ガメシエルの強力なカウンターは確かにこちらで使えればこの上なく強力な武器になるが、それは目的でもゴールでもない。
あくまでも最終目標はこのデュエルの勝利を掴むことで、そのための手段の1つだ。それを忘れていては本末転倒、今みたいに痛い目にあって終わる。壊獣の独特な動きを使い慣れてないというより、単に僕自身のセンスの問題だろう、これは。
……またひとつ賢くなれたのは全然問題ないんだけど、今までよくこんな程度のセンスで命がけのデュエルなんてやってたものだ。もう入学してから2年以上経つんだから、いくら毎年デッキがバージョンアップしているとはいえ、もう少しぐらい成長があってもよさそうなものだけど。
『センスの問題とか言い出されたら私にもどうしようもないが……とにかく場数を踏んで慣れることが一番の近道なんじゃないか?』
「おいおい、何固まってんだよ。お前のターンだぞ、さっさとしろよ」
鎧田の声に我に返る。さっさとしろよ、と言われても、今の僕にできる事は1つしかない。幸いまだ召喚権は残っている、ここはじっと我慢の時だ。
「グレイドル・スライムJr.を守備表示で召喚。これでターンエンド」
最近やたら出番の多い、先ほど現れたスライムの幼体といった見かけのグレイ型宇宙人が今回も壁としてシロッコの前に立ちはだかる。その守備力はシロッコではギリギリ突破できない2000、そしてこの布陣で最も警戒すべき仮想敵2体のうち片方である漆黒のエルフェンはすでに破壊済みだ。まさか上級モンスターのエルフェンが2枚以上入っているとも考えにくいし、警戒すべきはもう1体の方だけだ。
もっともこればかりはこちらにできる事はなく、あのカードを引かないことを祈る程度しかないのだが。でもきっと、鎧田なら引くだろう。なぜって、この男は真のデュエリストなのだから。
グレイドル・スライムJr. 守2000
「行くぜ、俺のターン!魔法カード、貪欲な壺を発動!カルート、エルフェン、クリス、ピナーカ、ダマスカスの5体のモンスターをデッキに戻し、カードを2枚ドロー……そろそろこの風景にも飽きたよなあ、俺がアレンジしてやるぜ!フィールド魔法発動、アンデットワールド!」
アンデットワールド。互いの場、そして墓地のモンスター
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