ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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ーン!相手フィールドにのみモンスターが存在するとき、このモンスターはリリースなしで召喚できる!来い、暁のシロッコ!」
シロッコのリリース軽減能力は、発動するタイプの効果ではない。つまりそれは、ガメシエルの鉄壁の守りをすり抜けて使用することができるということだ。鎧田め、もうそのことに気づくとは。
BF−暁のシロッコ 攻2000
「俺はこれで、ターンエンドだ」
残り2枚の手札で何かしてくるかと思いきや、意外なことに召喚だけでターンを終える鎧田。楽観的に考えるなら、たんに手札事故を起こして少しでもダメージを軽減させるためやむを得ずシロッコを出したというところだ……けど、どう考えてもそんなにうまくいくとは思えない。
おそらく、次に僕がどう動くかがかなり重要になってくるはずだ。
清明 LP2100 手札:1
モンスター:海亀壊獣ガメシエル(攻)
魔法・罠:壊獣の出現記録(0)
場:KYOUTOUウォーターフロント(2)
鎧田 LP1000 手札:2
モンスター:BF−暁のシロッコ(攻)
魔法・罠:なし
「僕のターン、ドロー」
落ち着いて、初めからよく考えてみよう。ウォーターフロントに載った壊獣カウンターは2つ、つまりガメシエルはまだ最低でも1回効果を使うことができる。そして、それは鎧田も十分承知しているはずだ。
ちらりと視線を上に向け、頭上でライトを放つウォーターフロントを見上げる。カウンターが2つということは、逆に言えばこのカードの持つサーチ効果も使えないということ。もっとも仮に使えたとしても、ガメシエルの攻撃力は壊獣の中でもワーストクラスなのにシロッコをリリースしてもっと強いモンスターを出してどうするというさらに根本的な問題があるのだが。
僕の手札は、今引いたカードを合わせて2枚。グレイドルがあれば迷わず寄生に繋げたのだが、それもこのターンでは無理だ。いかにも罠でございと言わんばかりのあのシロッコに、カウンターが1度しか使えないこの状況で本当に攻撃するべきだろうか?もう少し待つべきではないだろうか?
それともそう思わせる事こそが攻撃表示シロッコ棒立ちエンドの真の狙いで、場面外から掛けるプレッシャーだけで鎧田が逆転のチャンスをうかがっているのだろうか。鎧田は敵に回すと油断ならないタイプだから、そのどちらも可能性は同じだけある。
ややあって、ついに覚悟を決めた。ただしこの判断、後になってから何回も後悔することになる。もしここでもう一度盤面をよく見ていたら、普段から痛い目にあって覚えさせるスパルタ式の教育方法を好むチャクチャルさんが僕の判断にいいとも悪いとも言わず無言で見ていたわけをもう少しでも考えていたら、結果はまた変わっていたのだが。
「……ここで退くなんて僕じゃない!ガメシ
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