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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン73 鉄砲水と死神の黒翼
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なバトルロイヤルも勝ち抜き戦も抜きだ。俺とお前、代表2人のタイマン1発で決着つけようじゃねえか。日付はきっかり3日後の正午、首を洗って待ってやがれ!』

 そこで再生が終わった。なんとなく、ノース校校長のあの気弱そうなんだか気が強いんだかよくわからない顔が頭をよぎった。きっと今年も、鎧田に押し切られたんだろうなあ。ノース校から本校に来るなんて、あの人数を連れてくるとなると船の燃料代だってえらいことになるだろうに。

「……ねえ万丈目、万丈目が最初にこのイベント始めた時からずっと思ってたんだけど、なんで毎回ノース校側が条件出してくんの?たまにはこっちが決める自由とかないの?」
「なぜ俺を見る。俺だってもう本校の人間だぞ」
「いや、いろいろ考えるとどうも元凶が隣にいる気がして」

 まあ、本気で追い詰めるつもりはない。ちょっと答えづらい質問で追い込んで遊んでみただけだ。話が終わる気まで静観する気だったらしい鮫島校長の視線に気づき、ため息1つついて答えを返す。色々言いはしたけれど、そんなの答えは決まってる。

「上等。そんなに負け越して卒業したいなら、一丁デュエルと洒落込もうじゃないの。こう伝えといてください、僕の方はいつでもいいですから」
「よろしいんですね?」
「そりゃあもう。あそこまで言われてすっこんでるようじゃあ、それこそ男がすたりますから」

 そこまで言ったところで、いきなり背中に衝撃が走る。何事かと振り返ると平手でバン、と叩いた張本人の万丈目が、にやりと笑っているのが見えた。

「よく言った、清明。一応あれでも俺の元手下だ、あいつらの手前お前のことをおおっぴらに応援してやるわけにはいかんが、3日後は楽しみにしているからな」
「そりゃどうも。じゃあ、これで失礼しまーす」

 奴に会うのもかれこれ1年……いや、光の結社関係のごたごたが全部終わるまであいつら島に居たからせいぜい半年ぶりか。それでも意外と楽しみにしている僕がいることに、自分でも少し驚いた。
 その日の夕食の席では十代にもそのことを報告しておいたが、残念ながら期待していたような反応は貰えなかった。特に口を挟むことなく最後まで聞いた後、たった一言だけ。

「ふーん。頑張れよ」

 そう言って席を立とうとしたのは、いくらなんでもひどいと思う。いいから当日は見に来い、と厳命はしておいたけれど、あの様子だと来るかどうかは半々といったところだろうか。
 まったく、どうもあの世界から帰ってきてからというもの、十代の様子がおかしい。大人びたといえば聞こえはいいけれど、なんか全体的に冷めた様子が目立つ。前みたいに力いっぱい笑うようなこともすっかりなくなったし、そのうち何か考えないといけないだろうか。十代がいつまでもこんな調子だと、毎日1つ屋根の下で顔付きあわせ
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