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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
55.漆黒の乱入者
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ういう状況なっていたとしても……
その時だった。前方の空間がわずかに揺らいだ。
直感的に彩斗は速度を緩めて側方へと飛び退いた。半ば倒れこむような形にもなった。
次の瞬間だった。先ほどまで彩斗が向かっていた空間が抉り取られる。
「彩斗君!」
「来るな、友妃!」
この空間そのものに何かが仕掛けられているのなら無闇に動くのはかえって危険だ。
考えられる可能性は二つ。彩斗たちの動きを狙って空間上に仕掛けた。もう一つは、“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”同士の戦いの中で仕掛けたものがまだ残っていたかのどちらか。
もしくは……
「そこにいんだろ……こそこそしてねぇで出てこいよな」
すると再び、空間が揺らいだ。
陽炎のように揺らめきながら徐々にそれは人の形を形成していく。
「ワタシノ、存在ヲ感知デキルホドニ、ナッタカ」
くぐもった声がどこからともなく聞こえてくる。陽炎はいつのまにか闇夜に溶け込むほどに漆黒のローブへと姿を変えていった。
「オ前ハ、邪魔ダ……消エロ」
再び、彩斗の周囲の空間が揺らいだ。
それと同時に揺らめく空間めがけて銀の刀身を突き立てた。一気に銀の長剣へと向けて魔力を流し込む。
すると刀身は、黒く染まりながら鮮血が吹き出す。そして揺らいでいた空間を吹き出した鮮血が飲み込んでいった。
「ソコマデノ力ヲ、ダセナガラ、未ダ覚醒ニ至レナイトハ……ヤハリ、今回ノ器モ、期待外レダナ」
「器だと……?」
「ココデ消エル、オ前ガ知ルコトデハナイ」
ローブがわずかに右手を動かした。
それとほど同時だった。体に一気に悪寒が駆け巡る。気付いた時には、彩斗は後方へと飛び退いていた。
すると先ほどまでの彩斗がいた空間が弾け飛んだ。
「あぶねぇ……」
「流石……トイウトデモ、思ッタカ」
彩斗は鮮血を纏う刀身で何もない空間へと刃を立てる。それとほぼ同時くらいに空間が弾け飛んだ。
紙一重のところで彩斗がいた空間だけの被害はなくすことができた。相手の攻撃を防ぐので精一杯だ。
それに直前までどこから飛んでくるかわからない攻撃に対処できているだけでも奇跡的なこの状況。
いつあいつが力を貸してくれなくなるかもわからない。
隙を見つけて反撃しなければ間違いなくこのままではやられる。だが、その隙すらを作ることができない。
「しまっ……ッ!」
そんなことを考えていた彩斗の方に生まれた隙を奴は見逃さなかった。
目の前に飛来してくる炎の球。今からでは回避は間に合わない。一か八かで刃を突き立てようとしたその時だった。
「彩斗君!」
叫ぶような声とともに小さな少女の影が彩斗の前へと現れた。そして飛来する火球を真っ二つに切り裂いた。
「無茶しすぎだよ!」
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