色々な意味で予兆
夜
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て、川内にこの上ない元気っぷりをアピールしてみた。
「大丈夫大丈夫! ほらっ! げんきーっ!!」
「いや、全然元気そうに見えないし……とにかく、無理はしないでよー?」
「おうっ」
マフラーをたたみながら教室に向かう川内の跡に続き、おれも教室に入る。川内の席のパソコンに電源を入れたあと、手持ち無沙汰解消に、今日のお昼の神通さんのおはぎの話を振ってみることにした。
「そういや川内」
「んー?」
「神通さんにお礼を言っといてくれ。お昼におはぎを持ってきてくれた」
「ぁあ、そういえば神通、持ってくって言ってたね」
はずしたマフラーを自分の膝の上に置いて、川内はパソコンの画面を眺めていた。
「どうだった? 美味しかった?」
「美味かったぞー」
「そう言ってくれたら、神通も喜ぶよ」
「特にきなこのやつがな。……げふげふんっ!? 絶品だった。また食べたいなぁ……あのおはぎ」
「ふーん……よかったじゃん。神通に言っとくよ」
えらくクールな反応だなぁ川内……なんて思ってたら、やっぱりこいつも、妹が褒められるのはうれしいみたいだ。口元がほんの少しだけ、ニコってしてた。恥ずかしくて、悟られたくないのかな?
「んじゃ川内……げふんっ!?」
「ホントにだいじょぶー?」
「余裕だっ。引き続き、表のプリントを作っていくぞ」
「りょうかーい」
「……俺は、昨日の続きでAccessをいじるが、聞きたいことがあったら、遠慮無く……げふんっ!? 声をかけてくれ」
「はーい。……でもせんせーさ。その、なんちゃらってやついじってる時、すんごい真剣な顔してるよね」
「そか?」
「うん。なんかねー……」
そういって川内は、眉間に思いっきりシワを寄せて、見ているこっちが笑ってしまうほどの険しい顔をしてきた。その様子は、俺の腹筋にダメージを与えようとしている風にしか見えない。鼻の穴がぷくって膨らんでるし。
「こんな感じ!」
「げふっ!? ゲフォッ!? ぐぇふっ!? えふ!? えふっ!!?」
「ちょっとせんせ、大丈夫?」
「他人事ごとみたいに心配しやがって……げふんッ!? お前がッ! 変な顔するのが原因じゃないかッ!!」
「ぇえー!! せんせーの変顔のマネしただけなのにっ!!」
「お前、近々張り倒すっ!! げふっ!?」
二人でひとしきり笑った後は、二人して集中しての作業に入る。川内は表を用いたプリントの作成で、俺はAccessの業務基幹ソフトの構築だ。
「うっし……これでテーブルが全部出来た……」
「うっし……これで表が出来た……」
なんだか二人して似たような口癖を発してる気がするが……まぁいい。俺だって最近ソラール先輩の口癖が伝染ってるし。
不意に、キーボードを叩く俺の右手
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