色々な意味で予兆
昼
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と輝いてる。
そしてそれ以上に、ソラール先輩がどうやっておはぎを食べてるのか、非常に気になる。だって先輩、兜外してない……背中を向けてないで、ちょっとこっちを振り返ってくれませんかソラール先輩。
「こんにち……んーお茶のいい香り……あらぁ! 美味しそうなおはぎ!!」
「ぁあタムラさん! 神通さんがおはぎを作ってきてくれました!!」
「よかったら、お母さんも食べて下さい。いつかもらった、黄金糖のお礼です!」
「こんにちは……おや。みなさんでおやつのお時間ですか」
「モチヅキ殿もぜひ! 神通のおはぎは最高だ!!」
「いいんですか? では私も……」
「こんちはー! ぉあ! おはぎ!! みんなでおはぎパーティーですか!!」
「岸田さんも、ぜひお召し上がり下さい!!」
「やっほい!!」
続々とやってくる生徒さんたちも交えて、授業が始まる前に、ちょっとしたおはぎパーティー。いいね。こういうのどかな時間。以前の職場では考えられない時間だ。
「ん! ちょっとこのおはぎ……!!」
「うまい! うちのかみさん以上ですよこれは!!」
「きなこを! もっときなこを!!」
岸田のヤロウを含めた、他の生徒さんにもおはぎは好評なようだ。改めて神通さんを見る。うん。とってもいい笑顔。
「素晴らしい! 神通! 貴公は、太陽のように輝いている!!」
「そ、そんな……!」
「これでは、太陽もメダルを5枚ほど進呈せざるを得まい……!!」
「こ、光栄です!!」
うん。なーんか褒め方がずれてる気がするけれど……まぁ本人同士が嬉しそうなのだ。俺が突っ込む必要はない。
「うまうま……うまうま……」
「おっ……このままじゃ……」
もはやおはぎ摂取マシーンと化した岸田のヤロウに取られない内に、俺はきなこのおはぎを一つ取った。ぅぉぁああんと口をあけ、手に取ったきなこのおはぎの半分をかじる。
「んー……おいしっ」
香ばしいきなこを纏うちょうどいい硬さのご飯に包まれた、こってりとした甘みのあんこ……きなこの香りとあんこの甘さ……んー……パランス完璧。大淀さんが入れてくれたお茶の苦味が、甘さを綺麗さっぱりと消してくれて……そしたらまたおはぎが食べたくなって……これは絶頂の連鎖。人に幸せしかもたらさない、幸福の永久機関だ。んー……神通さん、ホントにおはぎつくるのうまいなぁ。
「カシワギさん、どうですか?」
いつの間にやら俺の目の前に、神通さんが立っていた。優しく微笑む彼女の眼差しは、まっすぐに俺を見ていた。
「おいしいですよ! すごくおいしい! お店で食べるものよりも、ずっと美味しいです!!」
「ありがとうございます。……私も、よく出来てると思います」
「ですよね! すんごい美味しいです!」
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