第48話 ユメノトビラ
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また、だ。
綺羅ツバサに食ってかかるような穂乃果の態度。何故穂乃果があんなにも綺羅ツバサを毛嫌いしているのだろうか。穂乃果が彼女に会ったのは喫茶店の一度と今回の件だけ。今回はともかく、前回の出会いで、綺羅ツバサが穂乃果に直接なにかしたという訳ではない。
どちらかというと俺にちょっかいをかけていたような気がするし、穂乃果が敵対心剥き出しになるほどなにかされたわけでもない。
故に、穂乃果が睨みつける理由が俺にはわからない。単純にライバルとして───というわけでも無さそうだ。
「(もっと仲良くしてくれよ......)」
しかし、俺自身もA−RISEに対して良いイメージを持っているわけでもないので、言ったところで───というのもある。
ギリッと歯軋りの音を立てて威嚇する彼女を見兼ねて、絵里が間に入って仲介する。
「今はそんな時間じゃないわよ穂乃果。するならライブを終えてからにして頂戴」
「止めてくれるわけ、ではなさそうですね」
「もちろん止めたいですけど、穂乃果とツバサさんの間で何があったのか私にはわかりませんし、下手に横槍入れてもなと思うだけです」
「そんな私も、自覚ないんですけどね」
お互い苦笑した後、穂乃果を引き下げてようやく場の雰囲気が変わる。もはや息をすることすら忘れていたらしい凛はぷはーっと大きく息を吸ってはいてを繰り返している。
「今日はよろしく、μ'sのみなさん。予選突破を目指し、お互い高め合え良いライブにしましょ!」
「ええこちらこそ。同じ場所でライブをする以上、A−RISEに遅れをとるようなことなんてしませんから」
お互い認め合った良きライバル同士。
多少なりとも関係の良し悪しはあれど、μ`sとA-RISEの間に生まれた関係は向上心となって、目の前にやってくる。
A-RISEに憧れてスクールアイドルを始めた高坂穂乃果をはじめとするμ`s。
過去の俺とひと悶着あって、俺をライバルと認識し、また同時に期待と応援、超えてみろという挑戦状を送り続ける綺羅ツバサをはじめとしたA-RISE。
絵里と綺羅ツバサが握手する光景を見て、そして、数分後に始まる彼女らのライブを間近で観て、俺はようやく認識することになる。
───A-RISEは、嘘偽りのない、正真正銘の日本の頂点のスクールアイドルだということを。
〜☆〜
チカチカと街灯に照らされて、明滅を繰り返す学生や社会人の影は夜という時間を指し示している。
静寂と呼ぶには程遠いUTX周辺はようやく最大の盛り上がりを見
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