285部分:第二十三話 楓、思い出すのことその十六
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第二十三話 楓、思い出すのことその十六
「そうだな」
「正解よ。知ってたのね」
「歴史で習った。ユー達もそこから来たのか」
「そこからってことは」
「つまりは」
「ここにもそこから来た者がいる」
こう沙耶と燐花にたいして答えたのだった。
「何人かな」
「へえ、俺達だけじゃなくてか」
「この陣営にもいたんだな」
夜血と灰人が楽しそうに言う。
「じゃあ結構早いうちに馴染めそうだな」
「そうみたいだな」
「馴染むといい」
グリフォンマスクはそれは是非にというのだった。
「少なくともユー達は私の仲間だ」
「ふむ、仲間だ」
「共に戦うことになる。宜しくな」
言いながら花房に対して右手を差し出した。
「握手をしよう」
「握手とは?」
「手と手を握ることよ」
沙耶がいぶかしむ花房に対して述べた。
「それのことよ」
「挨拶か何かか?」
「友への挨拶だ」
それだというのだった。
「これから共に戦う友に対してのな」
「友人ですか」
「そうだ」
こう凛花に対しても言っ。
「それでは駄目か」
「そうだな」
花房がだ。彼のその言葉に応えた。
「喜んでだ」
「そうしてくれるか」
「我等は仲間だ」
こうグリフォンマスクに答える。
「そしてだ。友だ」
「そう言ってくれるか」
「言うのではない。信じるのだ」
それだというのであった。
「貴殿を友として信じよう」
「そうしてくれるか。ならば」
「うむ、ならばだ」
こうしてだった。二人は互いの手を握り合った。
そのうえで彼等は共に戦場に向かった。それはまた一つのはじまりだった。
第二十三話 完
2010・6・27
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