昔々の物語
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「だよね。でもさ・・・」
一瞬間を置く天竜。俺たちは彼女から次に発せられる言葉を待ちきれず、身を乗り出す。
「ソフィアって、あれが本当の見た目じゃないんだって」
「「・・・え?」」
何を言っているのかわからず固まる俺とシェリア。ウェンディからその理由を明かされるまで、その言葉の意味を理解することはできなかった。
第三者side
ザシュッ
「ぐっ・・・」
ドラゴンフォースを解放し、旧友との一戦に臨んでいるグラシアン。その腹部から、鮮やかな鮮血が滴り落ちる。
「どうしたの!?それがグランの本気なの!?」
ジャンプしながらグラシアンの真上に達すると、手の中から何かを弾くような動作をするイザベリー。それは、瞬く間にグラシアンの肩を直撃し、青年は痛みに顔を歪ませる。
「くっそ!!」
痛みを振り払うような、自分を奮い立たせるような、そんな大声を出して起き上がる。グラシアンは魔力を拳に込めると、地面に着地しようとしている女性目掛けて駆け出す。
「幻竜の斬撃!!」
スカッ
渾身の一撃で流れを変えようとした幻竜だったが、それはイザベリーの予想の範疇だった。彼女は軽く頭を下げると、その攻撃から容易く難を逃れる。
「動きが鈍いよ!!」
「ガッ!!」
接近してきた敵の顎に平手を打ち込む。腕を降り下ろしていたグラシアンは、バランスを崩して後方へと倒れそうになる。
タッタッタッ
しかし、足を小刻みに動かすことでなんとか重心を保つことができた。だが、そのまま倒れた方が彼としては良かったのかもしれない。
ピンッ
イザベリーの手からガラスが放たれる音が微かに聞こえる。五感の優れた滅竜魔導士だからこそ聞き取れたような小さな音だったが、それが聞こえたドラゴンはその場から体を反らそうとする。
ザシュッ
しかし、バランスを整えるのに意識のいっていた彼が、そう簡単に次の行動に移せるわけもなかった。右胸を直撃したガラスが、青年の体を貫き、後ろの壁へと突き刺さる。
「がはっ・・・ゴホッ・・・」
致命傷になりかねない一撃を受けた青年は、傷口を押さえて膝をつく。青年が咳き込む度に、口の中から血液が飛び出てくる。
「全然動きにキレがないよ、グラン」
咳を落ち着けようとしているグラシアンの顔を蹴り上げ、押し倒し馬乗りになる。彼女はグラシアンの額に拳を突き付けた。
「私に対する罪滅ぼしなの?やっぱり本気で戦えないの?」
寂しそうな表情を浮かべながら、イザベリーは今にも泣き出しそうな目をして問い掛ける。それに対しグラシアンは、額に押し付けられた拳を握
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