最終章:夢を追い続けて
第50話「去る者と残されるもの」
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「あ、束さん...ではなくてっ、桜さん、ど、どうして私は...!」
あわあわと慌てながら桜に尋ねるユーリを、桜はゆっくりと起こし...。
「...ごめんな。」
「....ふえっ...?」
申し訳なさそうな言葉と共に、抱き締めた。
「ささ、桜さん!?」
「...ユーリちゃんがこうなってしまったのは、俺の責任だ。」
「こうなったって...。暴走させたのは、私の責任ですし...。その結果で、ああなったのは桜さんのせいじゃありません。むしろ、連れてきてくれて感謝しています。」
申し訳なさそうにする桜に、ユーリはそういう。....しかし。
「違う、そうじゃないんだ。俺が言いたいのは、その事じゃないんだ...。」
「桜、さん...?」
その事ではないと、桜は言う。
他に心当たりがないユーリは、その答えに戸惑う。
「...ユーリちゃん。君は、俺に依存してしまっているんだ。環境ではなく、精神的に。しかも、自覚がないときた。」
「依存....?」
「ああ。学園に行って、ユーリちゃんの“目”を見て、確信したんだ。...君は、精神上俺がいないともう生きていけないぐらい、依存してしまっている。」
自覚がないユーリは、そう言われてもなお、首を傾げる。
分かっていないのだ。自分がどれだけ依存しているのか、桜に言われてさえ。
「ユーリちゃんは、俺がいなくなった時、どう思った?どう感じた?」
「私、は....。」
寂しくて、辛くて、苦しくて。胸が張り裂けそうだったと、ユーリは思い返す。
その時の事を思い出すだけで、ユーリの体は震えてきた。
「ぁ...ぅ...!?」
「ほら...な?」
「あ.....。」
震えるユーリを撫で、落ち着かせる桜。
「依存...ですか。」
「...こうなった以上、どんな形であれ俺は責任を取るさ。ゆっくりとでいい、治していこう。」
「....はい。」
精神的にここまで追いやられていたのだと自覚したユーリは、桜の言葉に頷く。
「....ねー、束さんがいるの忘れてなーい?」
「あっ、いえ、そ、そんな事は...!」
実際意識の外に追いやってしまっていたと、ユーリは謝ろうとする。
だが、そんなユーリを束は桜と同じように優しく抱きしめる。
「....えっ...。」
「...さー君だけじゃなくて、私にも頼っていいんだよ?」
「.....はい...。」
束の言葉に、ユーリは静かに涙を流す。
しかし、そんな雰囲気に水を差すように、カメラのシャッター音が鳴る。
「あっ、音切るの忘れてた。」
「「「.........。」」」
見れ
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