暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第50話「去る者と残されるもの」
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「千冬姉...?」

 訝しむ秋十を余所に、千冬は世界地図を取り出す。
 映像ではなく、紙媒体で...だ。

「これは....。」

「電子地図だと、いつあいつらに見られるかわからんからな。...あいつらに対しては、アナログのお方が効果的だ。」

「所々にある印....まさか...!?」

 秋十の気づいた声に、千冬は薄く笑う。

「...あいつらがいる可能性のある場所。...その目星を付けた。」

「....根拠はあるんですか?」

 束や桜の正確な位置は、どこの国も掴めていない。
 そのため、楯無が確実なのかどうか尋ねるが...。

「そんなものはない。強いて言うのなら、私の勘だ。」

「か、勘ですか...?」

「ああ。私なりにあいつらの動きをシミュレートし、いる可能性のある場所をマークした。虱潰しに探すよりはマシだろう。」

 幼馴染として動きを予測し、居場所をを割り出す。
 幼い頃から束の奇行を見てきた千冬だからこそできる事だった。

「...と、いう事は千冬姉....。」

「....あいつらに一泡吹かせてやれ。」

「......!」

 その言葉に、秋十達は顔を輝かせる。

「よし、それならばすぐに行動に移そう。私は学園での対処に回る。更識、情報収集は頼んだ。お前たちは自身の伝手を頼って協力者を集めろ。いいな?」

「「「「「はいっ!!」」」」」

「フローリアン先生方も一度私に同行を頼む。その後は皆と同じように協力者を。」

「...なんだか、規模が大きくなってきたわね。」

「私は燃えてきましたよ!わかりました、お任せください!」

 千冬の指示に従い、それぞれがそれぞれのやる事へと行動を移す。
 すぐに成果を出せる訳ではないが、それでも少しずつ進めていくようだ。









「....今頃、俺達を止めようと躍起になっているだろうな。」

 一方、世界のどこかにあるアジトで、桜はそう呟いていた。

「......桜、さん....。」

「......。」

 その膝の上で、ユーリは眠っていた。

「...もう、独りになるのは...嫌、なんです.....。」

「....ユーリちゃん...。」

 本来であれば、無理矢理な形でユーリを保護するつもりだった。
 しかし、実際には自らついていくという行為に出た。
 それは、桜にとっても少々予想外の事だった。

「...腹を括るっきゃねぇな。」

「そうだね。」

 そう呟く桜の隣に、束がやってくる。

「束か。」

「元々あっ君とゆーちゃんでは境遇が似てても心が違ったんだよ。その結果、ゆーちゃんはさー君に依存するよう
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