最終章:夢を追い続けて
第50話「去る者と残されるもの」
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けの実力差を見せられてなお、止めようとする秋十とマドカ。
それを見て、千冬は薄く笑う。
「...あいつを止めるのは、至難の業だぞ?」
「百も承知だよ。生半可...いや、万全の覚悟で挑んでも勝てるか分からない天才...それが二人揃ってるんだ。....だからこそ、止めたいとも思う。」
「お前も成長したな...。」
「桜さん達の下で鍛えられたからな。」
弟の成長を嬉しく思う千冬に、苦笑いしながら秋十は返す。
「だが、どうやって止めるつもりだ?言ってはなんだが、お前如きが動いても、大した影響は出ない。また、今は良くも悪くもあいつらが世界の抑止力になっている。それを止めるとなれば、世界中で女尊男卑に苛まれた連中の逆襲が始まる。」
「っ.....。」
千冬の言う通りだと、全員が思う。
例え二人を止めれたとしても、世界中の混乱が治まる訳ではない。
ISを以前までの仕様に戻すなど、脅されても二人が受け入れるはずがない。
つまり、桜たちの阻止と世界の安定、その両方を目指さなければいけない。
「....少数で変えようとしても、圧力に潰される....一人でやれる事には限界がある...か。」
「どうした?」
桜に言われた事を思い出す秋十。そして、改めて千冬に向き直る。
「...俺一人でできないなら、協力者を集めるまで。俺や千冬姉、桜さんや束さん、ここにいる皆のように、ISを“翼”として認め、協力してくれる人を集める。そして、今までの狂った世界を直して、桜さん達も止める。」
「...それができるとでも?」
「できるできないじゃなくて、やるんだよ。そうだろ、千冬姉。」
「........。」
秋十の言葉に千冬は黙り込む。
「...秋十はこういっているが、お前たちはどうする。」
「私たちは....。」
秋十に対する返答は保留とし、千冬は他の者にも尋ねる。
「....協力します。...姉さんを、私たちの力で止めたいですから。」
「...あたしも、こんな事聞かされて別の道を行くなんてできません。」
箒と鈴が、真っ先にそう返事する。
それに続くように、他の者も協力すると言っていった。
「...ここまで聞かされて、ここまで皆が協力して、私だけが私の...更識の道を行く訳にはいかないわね。更識家としても、個人としても協力させてもらいます。」
「......そうか。」
最後に楯無がそういって締め、千冬は観念したかのように溜め息を吐く。
「まったく...揃いも揃って馬鹿ばかりだな...。....だが。」
そして、テーブルに叩きつけるように手を置き、続きの言葉を放つ。
「....その言葉を待っていた。」
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