第七幕その四
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「そうしているんだ」
「そういうことだね、じゃあ僕はね」
「王子は?」
「うん、これから自分の出来ることをするよ」
微笑んで先生に言うのでした。
「そうさせてもらうよ」
「それは何かな」
「まずは学校の講義に出てね」
「ああ、学業だね」
「そしてお家に帰って本を読んで」
「そうして学問にも励むんだね」
「明日王家のお仕事が入っているけれど」
それもというのです。
「させてもらうよ」
「そのお仕事は何かな」
「今度は奈良に岡山に行くんだ」
「あそこになんだ」
「吉備津神社に行くんだけれど」
「ああ、あの神社だね」
吉備津神社と聞いてです、先生はすぐに笑顔で頷いて言いました。
「あそこも歴史とゆかりある神社なんだ」
「そうだって聞いてるよ」
「桃太郎のね」
「日本の童話のヒーローだったね」
「その桃太郎のモデルになった人の神社で」
「あと怪奇ものでの舞台だった?」
「雨月物語だね」
この作品の名前もです、先生はお話に出しました。
「そこに吉備津の釜っていうお話があってね」
「そのお話の舞台でもあるんだね」
「最初の場面で出て来るんだ」
その吉備津神社がというのです。
「あそこの釜で結婚占いをしていたんだ」
「そんなこともあったんだね」
「そうしたことがあるね」
「とても歴史ある神社だね」
「だから行くとね」
そうすると、というのでした。
「それはそれでいいよ」
「それじゃあ明日は」
「楽しんできてね」
「そうさせてもらうね。あと岡山だから」
「桃にマスカットにだね」
「あとママカリとか黍団子もね」
そうした食べものもというのでした。
「楽しんでくるといいよ」
「それじゃあね」
「明日はだね」
「岡山に行ってくるよ」
こう言ってでした、そのうえで。
王子は大学の講義に出る為に研究室を後にしました。そして後は先生と動物の皆だけになりましたが皆はお茶を飲む先生に尋ねました。
「ねえ、岡山だけれど」
「先生あっちにも行ったことあるよね」
「学問のフィールドワークで」
「そうだったね」
「そう、それでその神社にも行ったよ」
吉備津神社にもというのです。
「そうしたよ」
「そうだったね」
「僕達も一緒だったしね」
「あっちでも楽しんだね」
「食べることも」
「桃、美味しかったわ」
ガブガブはその桃のことをお話しました。
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